SCMパッケージソフト 開発勉強日記です。
SCM / MRP / 物流等々情報を集めていきます。
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シャープ株式会社
Microsoft® BizTalk® Accelerator for RosettaNet 2.0 の導入で
ロゼッタネットによる取引先との迅速な技術交流を実現
製品開発における期間短縮とグローバル化を推進
エレクトロニクス業界を取り巻く環境は、IT 化、ネットワーク化という情報インフラにおける技術革新により、目まぐるしいスピードで変化を遂げており、新たな市場開拓を目指した熾烈な競争がワールドワイドで繰り広げられています。シャープ株式会社 (以下、シャープ) では、世界各国の企業にさまざまなデバイスを供給している電子部品事業本部において、取引先や関連企業との円滑な技術情報のやり取りを実現し、また、開発期間の短縮化を図るため、企業間電子商取引のグローバル スタンダードであるロゼッタネットを採用。その仕組みを実装するにあたって選定されたのは、マイクロソフトが提供する Microsoft BizTalk Server 2002 と、ロゼッタネット接続のためのアクセラレータ製品である BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 でした。
<導入の背景と狙い>
製品の世代交代が激しい開発競争の中で
迅速な開発に役立つコラボレーション環境を整備する
シャープ株式会社
電子部品事業本部
化合物半導体事業部
企画部長
中村貞夫氏
高度な技術力を背景に、エレクトロニクス業界においてグローバルなビジネスを展開するシャープ。そのデバイス部門である電子部品事業本部は、「オプトデバイス事業部」、「化合物半導体事業部」、「部品事業部」の3つの事業部から構成され、半導体レーザ、ホログラムレーザ、OPIC 受光素子、LED 、赤外線通信ユニット、高周波部品などを、開発、生産し、世界各国のメーカーに供給しています。特に、スタンダードオプトデバイスの分野では、ワールドワイドの市場において、19 年連続でシェア NO.1 の実績を誇っており、さらに最近では、SS (Spread Spectrum :スペクトラム拡散方式) 無線関連デバイスの開発にも力を注ぐなど、幅広い分野でその技術力が発揮されています。
この電子部品事業本部の中で、主に CD-R ドライブなどの光ピックアップ用デバイスを開発、生産している化合物半導体事業部では、進歩の激しい同分野において次世代商品を効果的に開発するために、製品の開発、設計段階から取引先や関連企業との円滑な技術情報のやり取りを実現するため新たなネットワークシステムの構築のために、ロゼッタネットの基盤を採用することになりました。
電子部品事業本部がターゲットとする業界、そして提供する製品の特徴として、その変化のスピードを指摘するのは、シャープ 電子部品事業本部 化合物半導体事業部 企画部長の中村貞夫氏です。
「パソコン用の光ディスクドライブは、CD-ROM から始まって、DVD-ROM 、CD-R/RW 、コンボドライブと進化を遂げていますが、その製品サイクルは非常に早くなってきています。たとえば、CD-ROM ドライブの場合、1995 年に 4 倍速が登場し、その後、8 倍速、16 倍速、24 倍速、48 倍速という具合にスピード競争が進みました。この結果、半年後には世代が変わり、旧世代のものは売れない状況となっていました」(中村氏)
パソコン業界全体が不振だった 2001 年にはさらにこの傾向が強まり、各社の性能競争が激化した結果、わずか 3 か月間で世代交代が起こり、乗り遅れたメーカーは脱落していくという状況がみられました。
このような変化の激しい業界で新製品を開発、提供し続けるためには、社内だけでなく、取引先や関連企業との間でのタイムリーな情報交換が必須となります。たとえば、化合物半導体事業部が最近開発した、CD-R ドライブで業界最速となる 48 倍速の書込み速度に対応した光ピックアップ用赤外高出力レーザの場合でも、レーザドライバ、サーボ用IC、ディスクを回すモーターの性能など多くの部分で関連メーカーとの間での細かな情報共有と迅速な連携、「 Agility 」が必要不可欠でした。最新の技術情報を取引先や関連企業へ「いかに迅速に」伝えるかが大きなポイントなのです。
「当社だけで先行しても上手くいきません。そこで、デバイスを提供している各取引先との間で、設計段階から技術情報を交換しながら最終的な商品を作り上げています。しかし、データのやり取りにはどうしても時間がかかるため、新たな仕組みを導入することによって、より効率的でスマートな情報交換の場を実現したいと考えました」今回のシステム導入の狙いについて中村氏はこう語りました。
<マイクロソフト製品選択の理由>
ロゼッタネットとの親和性、システム開発の迅速性、容易性、
そして将来的な社内システムとの連携も視野に入れる
シャープ株式会社
電子部品事業本部
IT 推進室
副参事
森本清己氏
取引先や関連企業との間で円滑に技術情報をやり取りするための新たな仕組みとして、注目したのが「ロゼッタネット」でした。シャープ電子部品事業本部では、1995 年から情報公開の目的でホームページを開設していましたが、その後、単なる一般向けの公開からさらに一歩踏み込み、次世代商品の技術情報を関連する取引企業に対してプッシュ型で提供しようという考えを持ち始めました。
「当初は E-CALS にも着目していたのですが、情報を集めているうちに、ロゼッタネットに関する進展が非常に早いことに気付き、その仕組みを活用できるのではないかと考えました。特に当社の場合は、ワールドワイドでビジネスを展開していますので、グローバル スタンダードであるロゼッタネットは最適だったのです」とシャープ 電子部品事業本部 IT 推進室 副参事の森本清己氏は、ロゼッタネット採用の理由を語ります。
重要得意先が、ロゼッタネットを推進していた点も選定の際のポイントとなり、2001 年末にはロゼッタネットを使った新しい情報交換の仕組みを構築することが決定され、さっそく採用するシステム基盤についての選定を開始しました。選定基準としては、システム立ち上げに関わる初期投資、開発工数を抑え、低いハードルでスタートできることと、その後のビジネス状況に応じて大きく拡張していけることが重要なポイントでした。
「コスト面なども考慮して、効率的なシステムはないかと調査を続けている際、以前から他のシステム構築で面識のあったマイクロソフト社に相談し、当時開発中の新製品、BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 を紹介いただきました。その後、他のパッケージソフトを含め、詳細に比較検討を行いました結果、基本機能、性能、ロゼッタネットとの親和性やコストパフォーマンス、そして将来的な社内システムとの連携なども考慮して BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 の採用を決定しました」(森本氏)
さらに、グローバル戦略を視野に入れた同社のネットワーク システムを実現できることも重要なポイントでした。「これまでは、日本のマーケットが中心だったのが、最近では台湾や中国などのメーカーや生産拠点との取引が増えており、世界規模で永続的なマーケット展開が必要になります。この意味で、今回のシステムは世界中の企業とシームレスなネットワークを構築できる仕組みが必要だったのです。 BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 はこの要件にも合致していました」と中村氏は強調しました。
<開発経緯と評価>
わずか 1 か月という早期システム構築を実現
コンサルティングによる技術支援も有効活用
新システムでは、Microsoft Windows® 2000 Server をベースに、 Microsoft BizTalk Server 2002 、そして BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 がセットされています。ロゼッタネットを使った取引先とのやり取りであるパブリック プロセスは、BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0の機能で実現し、社内の業務システムとの連携やビジネス プロセス統合を含むプライベート プロセスについては、BizTalk Server 2002 の提供機能を使ってコントロール。一貫したビジネス プロセスの自動化を図っています。
具体的なシステム開発の検討が始まったのは 2001 年末からで、システム稼動までの期間は約半年間。様々な評価やテストの期間を除くと、実際の開発はわずか 1 か月余りという短期間でシステム構築が実現できました。BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 では、ロゼッタネットで使用される RNIF 2.0(RosettaNet Implementation Framework)に完全に準拠しており、さらにすべての PIP(Partner Interface Process)にも標準で対応しています。ダイヤログベースの対話型での設定でシステムを構築することが可能なため、コーディングやテストなどの開発作業を極力減らすことが可能です。ロゼッタネット対応システムを短期間で構築するというビジネス要件を満たす上でも、BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 を採用した効果が発揮されました。
「まずは一か所、取引先とのロゼッタネットによる技術交流を実現し、その効果を確認しながら徐々にシステムを拡張していこうと考えていました。BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 の採用、そして当初のシステムの作り込み作業があまり多くなかったこともあり、短期間での構築が実現できました。ちょうど、電子部品業界全体でロゼッタネットを活用していこうという時期だったので、タイミングも最適でした」(森本氏)
シャープでは事業本部ごとに情報システム部門が配置されていますが、システムの高度化、専門化にともない、外部に開発を委託することも少なくありませんでした。しかし、今回新システムを構築するにあたって、その基本的な開発作業は社内の情報システム部門が担当し、これに加えてマイクロソフトのコンサルティング サービス (MCS)を活用、スムーズなシステム開発と早期構築を実現しました。
「今回のシステム開発では、情報システム部門の 2 名のスタッフが業務に即した全体の設計をまとめ、実際のシステム構築はマイクロソフトのコンサルタントに支援していただきました。また、同じくマイクロソフトのプレミア サポート契約も利用し、総合的にさまざまな技術的コンサルティングを受けられたことは非常に有効で、これによって早期構築が実現できたと考えています。今後も、コストパフォーマンスが高く、開発作業負荷が少ない、そして確実に業務が遂行できるシステムの提案をマイクロソフトに期待しています」(森本氏)
システムの概略フロー
<導入効果と期待>
Web 上で最新の技術情報を取引先に公開
新製品の開発期間の短縮に大きく貢献
今回導入したシステムは、第1フェーズとして位置付けられ、本格的な運用がスタートするのは 2002 年 9 月からですが、既に、さまざまな技術情報がセキュリティを充分確保した形で Web 上に公開されています。
「関連企業に対する技術情報提供は、以前は紙ベースのカタログを 2 年に一度配布していたのが、現在は CD-ROM で年 1 回提供していますが、これには 2 つ問題があります。まず商品のライフサイクル自体が 6 か月を切っている現状、これでは到底技術の進歩に追いつけません。また、提供している情報は完成済の商品に関するものだけで、現在開発中の情報はまったく含まれません。これらの問題を解決し、新製品を迅速に市場に投入するためにも、今回のロゼッタネット システムには大いに期待しています。今後もしばらくは CD-ROM を継続して提供していくことになりますが、最終的にはロゼッタネットに移行できると考えています」(中村氏)
BizTalk Server 2002 と BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 をコアとして構築された新システムは、技術情報をこれまでにないスピードでやり取りすることによって、新製品の開発期間を短縮するという全社的なビジネス戦略の重要な一端を担っています。
「今回のネットワークシステムは、設計段階から製品化に至る開発期間を短縮することに効果が想定されます。本格的な運用がスタートするのはまだこれからなので、具体的な導入成果が見えてくるのはもう少し先になります。当社にとっても取引先にとっても大きなメリットをもたらすことになるでしょう。最新の技術情報をスピーディに提供することで、お客様とさらに密接な関係を結びたいと考えています」(森本氏)
システムの構成
<今後の展望>
世界中の企業との技術情報の交流へ展開
事業本部の垣根を超えたシステム連携を推進
今回のシステムでは、第 1 フェーズとして基本的にカタログベースの技術情報が中心になっていますが、今後、各製品の 3 次元情報や各種シミュレーション情報なども追加されていく予定になっています。さらに、技術情報に関する取引先からの質問に回答する仕組みも構築中です。
最後に、今後の展望について森本氏は、
「第1フェーズでの導入効果を確認したうえで、将来的にはグローバルスタンダードであるロゼッタネットのメリットを活かし、世界中の企業とのネットワークを広げていきたいと考えています。それに伴い。今後はトランザクションの量も増えてくると思いますので、クラスタ構成を含めたシステムの拡張を視野に入れていこうと考えています。また、BizTalk Server 2002 には、他のシステムと容易に連動できるオーケストレーション機能がありますので、これも積極的に活用していきたいと考えています。今回、BizTalk Server 2002 を導入するメリットを生かしたい」と意欲を示しました。
Microsoft® BizTalk® Accelerator for RosettaNet 2.0 の導入で
ロゼッタネットによる取引先との迅速な技術交流を実現
製品開発における期間短縮とグローバル化を推進
エレクトロニクス業界を取り巻く環境は、IT 化、ネットワーク化という情報インフラにおける技術革新により、目まぐるしいスピードで変化を遂げており、新たな市場開拓を目指した熾烈な競争がワールドワイドで繰り広げられています。シャープ株式会社 (以下、シャープ) では、世界各国の企業にさまざまなデバイスを供給している電子部品事業本部において、取引先や関連企業との円滑な技術情報のやり取りを実現し、また、開発期間の短縮化を図るため、企業間電子商取引のグローバル スタンダードであるロゼッタネットを採用。その仕組みを実装するにあたって選定されたのは、マイクロソフトが提供する Microsoft BizTalk Server 2002 と、ロゼッタネット接続のためのアクセラレータ製品である BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 でした。
<導入の背景と狙い>
製品の世代交代が激しい開発競争の中で
迅速な開発に役立つコラボレーション環境を整備する
シャープ株式会社
電子部品事業本部
化合物半導体事業部
企画部長
中村貞夫氏
高度な技術力を背景に、エレクトロニクス業界においてグローバルなビジネスを展開するシャープ。そのデバイス部門である電子部品事業本部は、「オプトデバイス事業部」、「化合物半導体事業部」、「部品事業部」の3つの事業部から構成され、半導体レーザ、ホログラムレーザ、OPIC 受光素子、LED 、赤外線通信ユニット、高周波部品などを、開発、生産し、世界各国のメーカーに供給しています。特に、スタンダードオプトデバイスの分野では、ワールドワイドの市場において、19 年連続でシェア NO.1 の実績を誇っており、さらに最近では、SS (Spread Spectrum :スペクトラム拡散方式) 無線関連デバイスの開発にも力を注ぐなど、幅広い分野でその技術力が発揮されています。
この電子部品事業本部の中で、主に CD-R ドライブなどの光ピックアップ用デバイスを開発、生産している化合物半導体事業部では、進歩の激しい同分野において次世代商品を効果的に開発するために、製品の開発、設計段階から取引先や関連企業との円滑な技術情報のやり取りを実現するため新たなネットワークシステムの構築のために、ロゼッタネットの基盤を採用することになりました。
電子部品事業本部がターゲットとする業界、そして提供する製品の特徴として、その変化のスピードを指摘するのは、シャープ 電子部品事業本部 化合物半導体事業部 企画部長の中村貞夫氏です。
「パソコン用の光ディスクドライブは、CD-ROM から始まって、DVD-ROM 、CD-R/RW 、コンボドライブと進化を遂げていますが、その製品サイクルは非常に早くなってきています。たとえば、CD-ROM ドライブの場合、1995 年に 4 倍速が登場し、その後、8 倍速、16 倍速、24 倍速、48 倍速という具合にスピード競争が進みました。この結果、半年後には世代が変わり、旧世代のものは売れない状況となっていました」(中村氏)
パソコン業界全体が不振だった 2001 年にはさらにこの傾向が強まり、各社の性能競争が激化した結果、わずか 3 か月間で世代交代が起こり、乗り遅れたメーカーは脱落していくという状況がみられました。
このような変化の激しい業界で新製品を開発、提供し続けるためには、社内だけでなく、取引先や関連企業との間でのタイムリーな情報交換が必須となります。たとえば、化合物半導体事業部が最近開発した、CD-R ドライブで業界最速となる 48 倍速の書込み速度に対応した光ピックアップ用赤外高出力レーザの場合でも、レーザドライバ、サーボ用IC、ディスクを回すモーターの性能など多くの部分で関連メーカーとの間での細かな情報共有と迅速な連携、「 Agility 」が必要不可欠でした。最新の技術情報を取引先や関連企業へ「いかに迅速に」伝えるかが大きなポイントなのです。
「当社だけで先行しても上手くいきません。そこで、デバイスを提供している各取引先との間で、設計段階から技術情報を交換しながら最終的な商品を作り上げています。しかし、データのやり取りにはどうしても時間がかかるため、新たな仕組みを導入することによって、より効率的でスマートな情報交換の場を実現したいと考えました」今回のシステム導入の狙いについて中村氏はこう語りました。
<マイクロソフト製品選択の理由>
ロゼッタネットとの親和性、システム開発の迅速性、容易性、
そして将来的な社内システムとの連携も視野に入れる
シャープ株式会社
電子部品事業本部
IT 推進室
副参事
森本清己氏
取引先や関連企業との間で円滑に技術情報をやり取りするための新たな仕組みとして、注目したのが「ロゼッタネット」でした。シャープ電子部品事業本部では、1995 年から情報公開の目的でホームページを開設していましたが、その後、単なる一般向けの公開からさらに一歩踏み込み、次世代商品の技術情報を関連する取引企業に対してプッシュ型で提供しようという考えを持ち始めました。
「当初は E-CALS にも着目していたのですが、情報を集めているうちに、ロゼッタネットに関する進展が非常に早いことに気付き、その仕組みを活用できるのではないかと考えました。特に当社の場合は、ワールドワイドでビジネスを展開していますので、グローバル スタンダードであるロゼッタネットは最適だったのです」とシャープ 電子部品事業本部 IT 推進室 副参事の森本清己氏は、ロゼッタネット採用の理由を語ります。
重要得意先が、ロゼッタネットを推進していた点も選定の際のポイントとなり、2001 年末にはロゼッタネットを使った新しい情報交換の仕組みを構築することが決定され、さっそく採用するシステム基盤についての選定を開始しました。選定基準としては、システム立ち上げに関わる初期投資、開発工数を抑え、低いハードルでスタートできることと、その後のビジネス状況に応じて大きく拡張していけることが重要なポイントでした。
「コスト面なども考慮して、効率的なシステムはないかと調査を続けている際、以前から他のシステム構築で面識のあったマイクロソフト社に相談し、当時開発中の新製品、BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 を紹介いただきました。その後、他のパッケージソフトを含め、詳細に比較検討を行いました結果、基本機能、性能、ロゼッタネットとの親和性やコストパフォーマンス、そして将来的な社内システムとの連携なども考慮して BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 の採用を決定しました」(森本氏)
さらに、グローバル戦略を視野に入れた同社のネットワーク システムを実現できることも重要なポイントでした。「これまでは、日本のマーケットが中心だったのが、最近では台湾や中国などのメーカーや生産拠点との取引が増えており、世界規模で永続的なマーケット展開が必要になります。この意味で、今回のシステムは世界中の企業とシームレスなネットワークを構築できる仕組みが必要だったのです。 BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 はこの要件にも合致していました」と中村氏は強調しました。
<開発経緯と評価>
わずか 1 か月という早期システム構築を実現
コンサルティングによる技術支援も有効活用
新システムでは、Microsoft Windows® 2000 Server をベースに、 Microsoft BizTalk Server 2002 、そして BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 がセットされています。ロゼッタネットを使った取引先とのやり取りであるパブリック プロセスは、BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0の機能で実現し、社内の業務システムとの連携やビジネス プロセス統合を含むプライベート プロセスについては、BizTalk Server 2002 の提供機能を使ってコントロール。一貫したビジネス プロセスの自動化を図っています。
具体的なシステム開発の検討が始まったのは 2001 年末からで、システム稼動までの期間は約半年間。様々な評価やテストの期間を除くと、実際の開発はわずか 1 か月余りという短期間でシステム構築が実現できました。BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 では、ロゼッタネットで使用される RNIF 2.0(RosettaNet Implementation Framework)に完全に準拠しており、さらにすべての PIP(Partner Interface Process)にも標準で対応しています。ダイヤログベースの対話型での設定でシステムを構築することが可能なため、コーディングやテストなどの開発作業を極力減らすことが可能です。ロゼッタネット対応システムを短期間で構築するというビジネス要件を満たす上でも、BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 を採用した効果が発揮されました。
「まずは一か所、取引先とのロゼッタネットによる技術交流を実現し、その効果を確認しながら徐々にシステムを拡張していこうと考えていました。BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 の採用、そして当初のシステムの作り込み作業があまり多くなかったこともあり、短期間での構築が実現できました。ちょうど、電子部品業界全体でロゼッタネットを活用していこうという時期だったので、タイミングも最適でした」(森本氏)
シャープでは事業本部ごとに情報システム部門が配置されていますが、システムの高度化、専門化にともない、外部に開発を委託することも少なくありませんでした。しかし、今回新システムを構築するにあたって、その基本的な開発作業は社内の情報システム部門が担当し、これに加えてマイクロソフトのコンサルティング サービス (MCS)を活用、スムーズなシステム開発と早期構築を実現しました。
「今回のシステム開発では、情報システム部門の 2 名のスタッフが業務に即した全体の設計をまとめ、実際のシステム構築はマイクロソフトのコンサルタントに支援していただきました。また、同じくマイクロソフトのプレミア サポート契約も利用し、総合的にさまざまな技術的コンサルティングを受けられたことは非常に有効で、これによって早期構築が実現できたと考えています。今後も、コストパフォーマンスが高く、開発作業負荷が少ない、そして確実に業務が遂行できるシステムの提案をマイクロソフトに期待しています」(森本氏)
システムの概略フロー
<導入効果と期待>
Web 上で最新の技術情報を取引先に公開
新製品の開発期間の短縮に大きく貢献
今回導入したシステムは、第1フェーズとして位置付けられ、本格的な運用がスタートするのは 2002 年 9 月からですが、既に、さまざまな技術情報がセキュリティを充分確保した形で Web 上に公開されています。
「関連企業に対する技術情報提供は、以前は紙ベースのカタログを 2 年に一度配布していたのが、現在は CD-ROM で年 1 回提供していますが、これには 2 つ問題があります。まず商品のライフサイクル自体が 6 か月を切っている現状、これでは到底技術の進歩に追いつけません。また、提供している情報は完成済の商品に関するものだけで、現在開発中の情報はまったく含まれません。これらの問題を解決し、新製品を迅速に市場に投入するためにも、今回のロゼッタネット システムには大いに期待しています。今後もしばらくは CD-ROM を継続して提供していくことになりますが、最終的にはロゼッタネットに移行できると考えています」(中村氏)
BizTalk Server 2002 と BizTalk Accelerator for RosettaNet 2.0 をコアとして構築された新システムは、技術情報をこれまでにないスピードでやり取りすることによって、新製品の開発期間を短縮するという全社的なビジネス戦略の重要な一端を担っています。
「今回のネットワークシステムは、設計段階から製品化に至る開発期間を短縮することに効果が想定されます。本格的な運用がスタートするのはまだこれからなので、具体的な導入成果が見えてくるのはもう少し先になります。当社にとっても取引先にとっても大きなメリットをもたらすことになるでしょう。最新の技術情報をスピーディに提供することで、お客様とさらに密接な関係を結びたいと考えています」(森本氏)
システムの構成
<今後の展望>
世界中の企業との技術情報の交流へ展開
事業本部の垣根を超えたシステム連携を推進
今回のシステムでは、第 1 フェーズとして基本的にカタログベースの技術情報が中心になっていますが、今後、各製品の 3 次元情報や各種シミュレーション情報なども追加されていく予定になっています。さらに、技術情報に関する取引先からの質問に回答する仕組みも構築中です。
最後に、今後の展望について森本氏は、
「第1フェーズでの導入効果を確認したうえで、将来的にはグローバルスタンダードであるロゼッタネットのメリットを活かし、世界中の企業とのネットワークを広げていきたいと考えています。それに伴い。今後はトランザクションの量も増えてくると思いますので、クラスタ構成を含めたシステムの拡張を視野に入れていこうと考えています。また、BizTalk Server 2002 には、他のシステムと容易に連動できるオーケストレーション機能がありますので、これも積極的に活用していきたいと考えています。今回、BizTalk Server 2002 を導入するメリットを生かしたい」と意欲を示しました。
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