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SCMパッケージソフト 開発勉強日記です。 SCM / MRP / 物流等々情報を集めていきます。
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新日本製鐵株式會社
新日鉄ソリューションズ株式会社
自動車鋼板分野における発注から納入までの一貫した
サプライチェーンマネジメントシステム構築のため、
Webアプリケーションを新規開発。
バッチ系プログラム開発にMicro Focus Net Expressを採用。

Highlights
Business
新日鉄ソリューションズ株式会社は、新日本製鐵株式會社エレクトロニクス・情報通信事業部と新日鉄情報通信システム株式会社が事業統合して誕生したシステムインテグレータ。製鉄業で培った経験と高度なIT力を活かし、先進的なソリューションビジネスを展開している。

Challenge
2001年春、新日鉄は自動車メーカー最大手のトヨタ自動車株式会社との間に自動車鋼板SCMシステム構築を決断し、翌年春のカットオーバーに向けて走り出すことになった。開発担当事業者である新日鉄ソリューションズにとって、実質的な開発期間は7ヶ月間ほどしかなかった。

Solution
全体で数十万ステップに及ぶこのWebアプリケーションを、短い時間の中で作り上げるために、同社は、オンライン系プログラムに関してはJavaを用い、バッチ系プログラムには高いプログラム品質を確保する意味でCOBOLを用いるという選択をした。同社内でのMicro Focus製品利用実績から、今回COBOL統合開発環境としてNet Expressが採用された。

Results
新システムは、2002年5月から予定どおりサービスを開始し、製鉄所における鋼材と二次加工センターの加工資材の注文、生産進度、品質などの情報をリアルタイムに近い頻度で入手可能になった。従来は情報収集に数日はかかっており、電子化によって大きなメリットが享受されている。

製鉄業で培った経験と高度なIT力を活かして先進的なソリューションビジネスを展開している新日鉄ソリューションズ株式会社は、自動車メーカーとのSCMを確立したい新日鉄のため、Webアプリケーション開発を担当しました。
高いプログラム品質を確保する意図から、バッチ系プログラム開発にMicro Focus Net Expressを採用。短期開発ながら、安定度の高いWebアプリケーション構築に成功しました。

●The company
 新日鉄ソリューションズ株式会社は、21世紀とともにスタートしたシステムインテグレータです。新日本製鐵株式會社(以下、新日鉄)エレクトロニクス・情報通信事業部と新日鉄情報通信システム株式会社が2001年4月に事業を統合して誕生しました。
 製鉄業で培った経験と高度なIT力を活かし、オープン系システムインテグレータとして、ユーザーサイドに立ったソリューションの提案が同社の強み。また、オラクル社をはじめとする欧米企業との戦略的提携や商品の活用、システム研究開発センターが保有する独自のIT力などにより、先進的なソリューションビジネスを展開しています。

●The challenge
 同社は、グループ会社である新日鉄の情報システム開発も担当しています。そこでのテーマの一つにサプライチェーンマネジメントの確立がありました。
 今日、商品の消費サイクルはどんどん速くなっています。日本の製造メーカーはこれまで数ヶ月先の需要を見込みで生産してきたのですが、それでは実需にそぐわなくなってきました。ヒット商品が出たらすぐに増産体制に入れるよう、またその逆の現象にも即応できるよう、メーカーとサプライヤーとの間で緊密なサプライチェーンネットワークを構築し、情報を迅速にやりとりする必要がありました。またこれは、ニーズに合わせた生産体制によって余分な在庫を減らし、鋼材生産のリードタイムを削減するという意味でも重要なことでした。
 2001年春、新日鉄は自動車メーカー最大手のトヨタ自動車株式会社との間に自動車鋼板SCMシステム構築を決断し、翌年春のカットオーバーに向けて走り出すことになりました。開発担当事業者である新日鉄ソリューションズにとって、種々の段取りを考えると実質的な開発期間は7ヶ月間ほどしかありませんでした。

自動車鋼板SCMシステム概略図


●The solution
 自動車鋼板SCMシステムは、メーカーや商社との間で注文情報、使用予定情報、納入依頼情報、二次加工センターや製鉄所の間で在庫情報、仕掛情報などをやりとりするWebアプリケーションです。いわゆる情報一元管理システムで、自動車鋼板マーケットでは初めての試みとなります。
 全体で数十万ステップに及ぶこのWebアプリケーションを、短い時間の中でどう作り上げるか。その課題に対して、新日鉄ソリューションズ株式会社 鉄鋼・ソリューション事業部 企画設計第一部 企画・設計グループ シニア・システムエンジニア 奥山秀人氏は、次のような解決策を導き出しました。

オンライン系プログラムに関しては、インターネットの世界で広く用いられ、同社内でも実績のあるJavaを用いる。


オンライン系プログラムの2倍の分量があるバッチ系プログラムは、高い品質が要求されることからCOBOLを用いる。
「自動車鋼板SCMシステムはB2Bアプリケーションなので、高いプログラム品質が要求されます。当事業部ではCOBOLを用いた品質保証活動の実績が豊富であり、短期開発であっても要求レベルを満たすプログラムが作れることを確信することができました。そのためにバッチ系プログラムの開発にはCOBOLを選択しました」(奥山氏)
「COBOLはプログラマーを問わずにほぼ均質なプログラムを作ることができます。品質を確保するという観点からも、COBOLの活用は不可欠でした」新日鉄ソリューションズ 鉄鋼ソリューション事業部 企画設計第一部 企画・設計グループ 服部仁氏もこう語ります。
 同社は、高いプログラム品質を確保するためには開発ツールの選択が重要と考えており、その中で今回、Micro Focus Net Expressが採用されました。その理由は、同社内ですでにMicro Focus COBOLやMicro Focus Server Expressの採用実績があって評価を得ており、その完成度が類推できたからだそうです。
 実際に使用した感想を、服部氏は開発チームから次のように聞いています。「一番多かった声は、デバッガが使いやすいということでした。GUIのよさが生かされていてエラーポイントがよくわかるため、デバッグの効率はとても高かったようです。もう一つは、Net ExpressによってWindows上で単体テストまで終えてしまえることですね。その後に品質のかたまったプログラムでUNIX上のServer Expressによる総合テストが行えたことは、プロジェクトをスムーズに進める上で助かりました」
 その他、コーディング支援機能が整っているため、今回のようにスクラッチからのスタートで大量のコーディングが発生する開発においては、生産効率の向上に大いに貢献したとのことです。また、作成したアプリケーションの処理性能は期待以上に高速で、満足できるものとなりました。
 自動車鋼板SCMシステムは、COBOLとJavaで開発されたWebアプリケーションですが、プログラム上で両言語が密接に連携する場面はありません。
「生産効率や人材リソースを考え、適材適所でCOBOLとJavaを選択しましたが、本来はまったく性格の異なる言語。短期開発で安定した稼動を得るためには、あえて連携させない方がいいと判断しました」(奥山氏)

●The result
 新システムは、2002年5月から予定どおりサービスを開始しました。現在は、製鉄所における鋼材と二次加工センターの加工資材の注文、生産進度、品質などの情報をリアルタイムに近い頻度で入手可能になりました。システム導入効果について新日鉄では、「これまでこうした情報は電話やFAXを使って収集されており、各種調整業務を含めると数日はかかっていました。それが瞬時にわかるようになったのですから、このメリットは非常に大きいものがあります。」と、高く評価されています。
 すでに開発は第二次フェーズに入っており、今秋カットオーバーの予定となっています。ここで付加されるのは一貫最適システム。受けた注文に関して、納期、生産効率、鋼材の歩留まりといったさまざまな観点から最適な生産プロセスをシミュレーションできるというもので、これが完成するとますますサプライチェーンの電子化・自動化が進むと期待されています。また、第二次フェーズではCOBOLとJavaのプログラム連携も検討されています。
 自動車鋼板SCMシステムは第二次フェーズ開発以降も、機能追加が順次行われていきます。その一方で、新日鉄ソリューションズでは他の産業向けのSCMシステムの開発にも着手されていく意向です。服部氏は今後の方向性をこう語りました。「これは新日鉄と取り引きされているさまざまなメーカーに対して、製品納入までの動きを電子化で整えていこうという取り組みの一環。これからも後続計画が次々と登場することでしょう」
 製造業で幅広く利用される汎用資材である鉄を、より迅速に、より柔軟な生産体制で届けたいという思いから、今日も大規模なSCMシステム開発が進められています。

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2003/11/6

 米i2テクノロジーズのCOO 中根滋氏は、同社が担当する自動車産業の現状について、「戦略的なグローバル化が欠かせなくなってきた」と語り、「サプライチェーン・マネジメントの戦略がさらに必要になるだろう」との認識を示した。


米i2テクノロジーズのCOO 中根滋氏
 中根氏は自動車産業を取り巻く環境について4つのポイントを説明。1つ目は日本国内での需要が限界を迎えていること。2つ目は、世界の自動車産業で「需要があるその場で、自動車を製造する傾向が出てきたこと」。3つ目は米国市場で、ビッグ3の自動車メーカーを相手に日本車メーカーが伸びていて、日本国内での低迷をカバーしていること、4つ目として中国市場が急速に伸びていることを説明した。これらの環境変化によって、世界の自動車メーカーのビジネスモデルが大きく変わってきているというのが中根氏の認識で、「Build Anywhere、Deliver Anywhere、Service Anywhere、Sell Anywhereが常識になり、SCMの活用がさらに必要になる」と述べた。

 i2のSCM製品を活用し大きな成果を挙げたとして説明されたのが、大手自動車メーカー、ダイムラー・クライスラーの事例。ダイムラー・クライスラーは2004年初めにもi2の生産計画管理製品を稼働させる予定で、生産ベースで300万台を管理するという。ダイムラー・クライスラーの生産計画・スケジューリング部門ディレクター リチャード・E・ブラウン氏によると、300万台の生産管理計画は、自動車業界で最大規模。ダイムラー・クライスラーはほかに部材のスケジューリングを行うためのツールを導入済みで、在庫の低減や物流の効率化で大きな効果が出ているという。

 ダイムラー・クライスラーは自動車メーカーにとって高い収益が期待できるアフターサービスパーツの流通を効率化するSCM製品も導入している。ブラウン氏はi2製品について、「それぞれのツールが相乗効果を起こし、改善の余地がないと考えていたところまで改善することができた」と指摘。「市場の需要を反映し、現実味のある生産計画を立てることが可能になった。サプライヤに対して情報を適切に提供でき、安心して生産計画を立案できる」と製品導入のメリットを述べた。ブラウン氏はi2製品をフルに活用することで、「1億ドルのコスト削減メリットが出る」と予測している。

 i2は世界で120社の自動車メーカー、サプライヤを顧客とし、50万の部材がi2製品で管理されているという。今後はダイムラー・クライスラーにも導入されたアフターサービス用パーツの流通管理製品の拡販に力を入れる。

TCOの削減に成功したITコンソリデーション事例
三洋電機株式会社 コンポーネント企業グループ セミコンダクターカンパニー


経営戦略に即したIT戦略とIT部門の意識改革を実現し、
TCOの削減に成功したITコンソリデーション事例

「人と・地球が大好きです」をコーポレートスローガンに、三洋電機は「快適空間の創造」「退屈しない人生の提案」というテーマを掲げ、グローバルに事業を展開している。また、企業経営のあらゆる側面で20世紀型から21世紀型企業への変革をとげ、世界のトップ企業に進化するため、2003年4月、事業領域を4つの企業グループに再編した。 中でもコンポーネント企業グループの中核をなすセミコンダクターカンパニーはLSI、TR、CCD、ハイブリッドICなどの半導体製品の開発・生産・販売を担っており、民生エレクトロニクス機器用に大きなシェアを持っている。同カンパニーでは、最近の急速なデジタル化と商品ライフサイクル短縮化に対応するために、ITを軸としたビジネスプロセスの改革を推進し、ITを「持つから使う」ことへの意識転換を行うと同時に、ITコンソリデーションを実施した。これにより、TCOの削減と運用負荷の軽減を実現しただけではなく、「迅速かつ柔軟なIT サービス提供を行う」という、IT部門へ「攻めの意識改革」を定着させることにも成功した。



事例キーワード

  業種: 製造業:電機・半導体
ソリューション: ITコンソリデーション
製品: HP 9000 サーバ / ストレージ製品
HP OpenView
アプリケーション: Oracle
 



≫ 世界のトップ企業に進化するために事業領域を4つの企業グループに再編
≫ 新たなビジネスモデル構築に向けて「5C」で構造改革を推進
≫ システムは「持つから使う」への転換で変化に柔軟に対応できるIT基盤を整備
≫ ペイ・パー・ユースとトータルなITコンソリデーションを提案したHPを選定
≫ 多様なサービスを提供するなど攻めのIT部門へ変身
≫ 会社概要



≫ PDF(139KB)





世界のトップ企業に進化するために事業領域を4つの企業グループに再編

三洋電機は、企業経営のあらゆる側面で20世紀型から21世紀型の企業へ変革を遂げ、世界のトップ企業に進化するため、2003年4月、それまでの事業領域を、カンパニー、子会社等を含めて4つの企業グループに再編した。

具体的には、 1.一般消費者向けの商品事業を展開する「コンシューマ企業グループ」、2.事業者を顧客とした業務用機器・システム事業を行う「コマーシャル企業グループ」、3.メーカーを顧客とした部品事業を展開する「コンポーネント企業グループ」、4.マニュファクチャリング事業で蓄積したリソースを活かしながら流通・金融・サービス事業を展開する「サービス企業グループ」 の4つのグループである。

各企業グループは、傘下に商品事業ごとの「カンパニー」や「独立会社」を配置し、それぞれに自主独立してコアコンピタンスを追及している。また、企業グループとしての事業展開を推進する「戦略本部」、および強力な営業活動を推進する「営業本部」を設置することで、戦略的かつ高効率な経営を推進する。

今回、大規模なサーバコンソリデーションを実施したのが、コンポーネント企業グループのセミコンダクターカンパニーだ。
セミコンダクターカンパニーは、AV、通信、パソコンなど民生エレクトロニクス機器半導体製品の開発・生産・販売を担っている。最近はコンシューマ製品の急速なデジタル化の流れの中で、従来の家電製品に使われていた汎用品中心の半導体からカスタム化が進み、3チップなど集積度の高い製品が求められている。また、携帯電話に代表される商品ライフサイクルの短縮化に伴う納期の短縮や、商機に合わせたジャストインタイム納品を実現するために、従来のビジネスモデルを改革することが大きな課題となっていた。






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新たなビジネスモデル構築に向けて「5C」で構造改革を推進



半導体は巨大な設備が必要であり、巨額の設備投資で規模の利益を追求している韓国や台湾の得 意とする汎用品分野で勝負しても、日本のメーカーが勝つことは難しい。そこでセミコンダクターカンパニーは、コンシューマ向けのアナログ市場にフォーカスして製品開発を展開することにした。

経営企画ビジネスユニットIT センターのエグゼクティブマネージャー針金憲一郎氏は次のように語る。
「今まではアナログ製品の半導体で強みを発揮してきたのですが、今後ますます普及するデジタル製品にも対応していきます。デジタル製品も最終的にはアナログ表示であり、アナログ技術とデジタル信号処理が必要なDSC、DVDなどの民生デジタル機器向け半導体は三洋の強みです。三洋は得意とするアナログ技術を生かしながら、他の分野では強い社外パートナーとのアライアンスを組み、市場に対応していきます。
また、現在の課題は市場サイクルの短縮化とコスト低減に対応するために、スピード重視のプロセスに転換することです。新たなビジネスモデルを構築するために、次の5Cで構造改革を進めています。」(針金氏)

5Cの内容


  1. Change: 「ビジネスモデルを変える。」2003年4月にビジネスユニット制を導入し、製品による縦割組織から、開発部門、製造部門、販売部門などの機能別組織への構造改革。
2. Challenge: 2003年度の経営方針は、物を作るから創造へ。コアコンピタンスを強化し収益率向上への挑戦。
3. Create: 設計手法改革、スタッフのレベルアップによる開発力の強化と開発生産性の向上。
4. CS: 「顧客満足度の向上」。リードタイム短縮、納期遵守率の向上に加え、環境対応、コンプライアンス経営の強化。
5. China: 「中国ビジネスの展開」。2003年12月に蘇州で生産拠点を立ち上げた。今後は市場としての中国へ展開などビジネスを強化。
 


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システムは「持つから使う」への転換で変化に柔軟に対応できるIT基盤を整備

セミコンダクターカンパニーは、ITを活用することで構造改革を着々と進めてきた。1999年1月、当時半導体事業本部副本部長だった現在のセミコンダクターカンパニー社長田中氏の指示でSCM導入の検討が始まった。経営企画ビジネスユニットITセンターエグゼクティブマネージャー針金氏は当初よりプロジェクトに参画、HPと共同でSCMを導入したのはその一環だ。

「3ヵ月間集中して、現場のマネージャークラスにヒアリングを行いました。その結果、生産プロセスの長さと意思決定の遅さがネックとなっていることが判明しました。そこで意思決定をデシジョンセンターに集中し、仕掛かりデータ、在庫の可視化を行うなど、SCMプロセスのビジネスモデル改革を進めることにしたのです。」(針金氏)

三洋電機株式会社
コンポーネント企業グループ
セミコンダクターカンパニー
経営企画ビジネスユニット
ITセンター
エグゼクティブマネージャー
針金 憲一郎 氏 三洋電機株式会社
コンポーネント企業グループ
セミコンダクターカンパニー
経営企画ビジネスユニット
ITセンター
主任企画員
関口 泰 氏

当初は楽観視していたSCMの導入は想像以上に困難で、国内外の販売、製造等の関連会社20数社のコード体系が異なり、またネットワーク回線などインフラが貧弱なため、約1割のデータを取り込めない事態が発生。1年かけてデータの標準化とネットワーク回線を充実させ、また週次単位の生産・販売・在庫管理へのビジネスモデル改革が進み、ようやく週単位で94%、月次ではほぼ100%の納期回答遵守率を達成。 顧客ニーズへの迅速な対応も実現し信頼性も向上した。

「当時から、収益性を把握するにはERPが必要なことはわかっていたのですが、当時まだITへの投資効果もあまり明確でなく、すぐに大規模な投資はできません。そこで実利を優先してSCMからスタートし、製造プロセス改革を先行し、3年でようやく効果が確認できました。そしてERPの導入段階で、全体最適による効率改善とコスト削減にはITリソースの統合が不可欠だという結論を出しました」(針金氏)

セミコンダクターカンパニーのIT基盤は、SCMや基幹業務を担うホストの他、取引先とのVANEDIやRosettaNetなどのB to Bの仕組みや日常業務を支えるWebシステムなどが併存している。従来のままでERPを導入したのでは、ロスが多く開発段階でのコード発行など整合性も取れない危険性があり、IT基盤の再構築は必要だった。

「IT基盤の再構築にあたっては原点に返り、あるべきビジネスモデルを考えることからスタートしました。次にあるべきITの姿を考え、最後に現状分析を行いそのギャップを認識する。そうするとギャップを埋めるプロセスが見えてきます。個別の開発を行うのではなくて、ITリソースの統合が必要との結論になりました。しかし、それだけ潤沢な資金があるわけではない。そこで、システムを作るのではなく活用するという発想の転換を行うことで、TCO削減につなげることにしたのです。また、自前のハードウェアシステムを持たないことで柔軟な運用が可能になると考えました。」(針金氏)

図1: コンソリデーションによる効果



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ペイ・パー・ユースとトータルなITコンソリデーションを提案したHPを選定


高性能ミッドレンジUNIXサーバであるHP rp8400

SCMを導入することで製造プロセスの改革を行い、次にカンパニー全体のビジネスプロセス改革を加速するためにITリソースの統合を行う。その新しい基盤の上にERPを構築し、さらにSCMを移行するというシナリオだ。もちろん、それ以外のシステムも順次統合環境に移行する。そのためにまず取り組んだのは、IT基盤のベースとなるサーバの統合だった。ITセンター主任企画員・関口泰氏はその間の経緯を語る。

「2002年の調査で、セミコンダクターカンパニー全体では、UNIXサーバ、x86サーバ合わせて730台もありました。サーバがあれば必ず管理業務が発生します。それが隠れたコストとなっていました。また、新たにERPを構築するにしても、3ヵ所あるファシリティはスペース不足で、新たな大規模サーバの導入が難しい状態でした。そこで2002年12月、HPを含めた3社に、ITリソース統合の提案を要請しました。」(関口氏)
その結果、2003年3月、HPの提案が採用される。

「我々のニーズを最もよく理解し、ご提案いただいたのがHPでした。『持つから使う』への基本となるファイナンシャルプランのペイ・パー・ユース(従量制料金)、またSuperdomeの仮想化技術を利用でき、初期投資を抑えることのできるミッドレンジクラスのrp8400の提案など、弊社の課題と背景をよく理解したサーバコンソリデーションの目的が提案内容にしっかりと盛り込まれておりました。ペイ・パー・ユースについては他のベンダーからは具体的な提案はありませんでした。SCMの運用管理をHP OpenView製品で行っていたことも安心材料でした。統合サーバにはハイエンドのSuperdomeも検討しましたが、最終的には初期コストの問題から、ミッドレンジのrp8400を採用しました。ミッドレンジでも、拡張性・機能性は子Superdomeと言える機器ですのでパフォーマンスも問題はありません。」(関口氏)

「小さく始めて大きく育てる」という考えの下、サーバコンソリデーションは実施された。当然、UNIXサーバだけでなくx86サーバも統合される。
「サーバ統合に際しては、セミコンダクターカンパニー全体で、蛇口をひねったら使えるようなシステムを目指しました。そして、ITセンターのプロフィットセンター化を目指しITサービスの対価をいただくことを考えてSLA(Service Level Agreement)を採用しました。少なくとも、今までのSCMの運用管理より2~3レベル上を目指した内容になっています。」

2003年6月にはコンソリデーションへの方針が決定され、サービスレベル向上と運用負荷軽減のために、社内にデータセンターを設置して統合環境の運用を行う方式を採用した。ただし、管理コストの面から統合サーバは三洋電機IT関連子会社のファシリティセンターに設置し、そのセンターを社内ネットワークに接続することで、社員がいつでもITリソースを使うことができるようにした。
それに加え、SCMで構築した運用管理環境から統合サーバを管理することで、TCO削減を図っている。またコンソリデーションではサーバにはディスクを実装せずSANによるストレージ統合も行っている。

さらに、サーバ統合と併行して、社内ネットワーク回線を2.4GbpsのDPTリング網に変更することで(ルータ以下をHPが設計)、SLAのベースを確保した。同時に、海外ネットワークもInternet VPNか
らIP VPNへと変更した(現在中国を含むアジア地区ではIP VPNへ切換済み)。アプリケーションでは、使い勝手を向上するために、グループウェアとしてExchangeを採用する方針を決定、2004年5月にはセミコンダクターカンパニー全社で統合する予定だ。

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多様なサービスを提供するなど攻めのIT部門へ変身

「ペイ・パー・ユースの統合サーバによってコストを抑え、より安くいつでも自由にITを利用できるサービスを提供できるようになりました。それと、これからはユーザー部門からIT のサービス料をいただく予定ですので、ITがストップして『申し訳ない』では済みませんので、組織面においても今までオペレーションチームとインフラチームが別々の課になっていたのを一本化しました。また、SLA提供のためのプロセス確立と、各個人のスキルアップを図っています。」(関口氏)

新しいIT基盤でのSLAサービスは、2004年4月稼動予定の、ERPシステムおよび BW(Business Information Warehouse)から導入する。また、アジア戦略強化のために、中国の拠点にデータセン
ターを設置するなど、IP VPNネットワーク網による統合化を行う計画だ。

「従来のITセンターはお山の大将と見られていましたが、これからはプロフィットセンターとして多様なサービスを提供していきます。まずはコンソリデーションサーバを基盤にしたCPU、ディスク、メモリ空間のレンタルによるリソース提供。当初はセミコンダクターカンパニーのみを対象としますが、他のカンパニーや関係会社へのサービス提供も順次展開したいと考えています。今後はネットワークを無線LAN化したユビキタスなアクセス環境の構築、携帯電話やPDAを利用したモバイル環境など、サービスメニューの向上を目指します。さらに、将来は社外向けにもサービスを提供したいと考えています。」(関口氏)

セミコンダクターカンパニーのIT戦略、システム運用は従来から大きく変わった。「持つから使う」への意識変革とITコンソリデーションが、セミコンダクターカンパニーIT 部門の「受け身から攻め」への変身を加速したことは間違いない。

図2: システム構成図



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会社概要


三洋電機株式会社


  本社: 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号
会長: 井植 敏
社長: 桑野 幸徳
創立: 1947年2月創業・1950年4月設立
資本金: 1,722億円(2003年3月)
売上高: 2兆1,825億円(2002年度 連結)
従業員数: 79,025人(2003年3月 連結)
 


三洋電機株式会社コンポーネント企業グループ セミコンダクターカンパニー


  所在地: 群馬県邑楽郡大泉町坂田1丁目1番1号
セミコンダクターカンパニー社長: 田中忠彦
設立: 1950年4月
売上高: 2,900億円(2003年3月)
従業員数: 4,900名(2003年3月)
事業概要: 半導体製品の開発・生産・販売、その他半導体関連事業
 




三洋電機セミコンダクター
カンパニーのチャレンジ
ソリューション
三洋電機の要求にHPが出した結果








● IT活用による構造改革
● 各所に散在したITリソース
● 納期短縮、意思決定プロセスの短縮
● 仕掛かりデータの可視化
● 製造プロセスの再構築
● SCM導入: 週単位で94%、月次では100%の納期回答遵守率
● ERP導入による収益性の把握
● 730台以上の混在するUNIX/x86サーバ群の統合
● ペイ・パー・ユースによる変化に合 わせてコントロールできるIT リ ソース提供基盤
● HP OpenViewによる総合的な 運用管理
● サーバの統合による大幅な管理工数の削減
● 3箇所あるファシリティスペースの大幅な削減
● IT部門の「プロフィットセンター」への意識改革支援

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