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SCMパッケージソフト 開発勉強日記です。 SCM / MRP / 物流等々情報を集めていきます。
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事例紹介
-「広報誌Tivoli 2003 NO.3」より転載しています。-    
三洋電機モバイルエナジーカンパニー



会社概要

三洋電機 株式会社
所在地 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号
会長 井植 敏
社長 桑野 幸徳
創立 1947年2月創業/1950年4月設立
資本金 1,722億円(2002年3月現在)
売上高 2兆247億円(2001年度実績、連結)
1兆884億円(2001年度実績、単体)
従業員数 80,500人(2002年3月現在、連結)
17,239人(2002年3月現在、単体)




三洋電機(株)
モバイルエナジーカンパニー外観


三洋電機株式会社 コンポーネント企業グループ・モバイルエナジーカンパニー
カンパニー社長 :本間 充
所在地 :兵庫県洲本市上内膳222番地の1



三洋電機株式会社は、この4月から企業グループ制を導入。全体を4つの大きな企業グループに分け、顧客主義に徹し、トータル・ソリューションを提供する、21世紀型のビジネスモデルに対応した組織に変革された。まず、コンシューマ企業グループ(液晶プロジェクター、カラーテレビ、デジタルカメラ、携帯電話などの他、洗濯機などの家電製品分野をカバー)、コマーシャル企業グループ(業務用空調システム、スーパーショーケース、バイオ関連機器、医療用コンピュータシステムなど)、サービス企業グループ(流通サービス・ロジステックス、金融サービス、住宅関連事業など)、そして、今回訪問のモバイルエナジーカンパニーが属するコンポーネント企業グループである。

コンポーネント企業グループは、コンポーネント戦略本部、セミコンダクターカンパニー、ディスプレイカンパニー、クリーンエナジーカンパニー、電子デバイスカンパニーとモバイルエナジーカンパニーの1戦略本部・5カンパニーで構成されている。いうなれば、トランジスター、IC、LSI からディスプレイ、太陽電池、コンデンサー、各種電池まで、電子部品分野でのきめ細かい製品体系を確立、グローバルに事業展開を行うというものである。



二次電池分野で圧倒的なシェアを獲得
電池事業分野で驚異的な展開をみせているのが、モバイルエナジーカンパニー。リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、リチウム電池、リチウムポリマー電池を生産するとともに、各種電池パック、バッテリー充電器、ハイブリッド電気自動車(HEV)用バッテリーシステムなどを開発、市場ニーズに合った事業展開を行っている。

モバイルエナジーカンパニーが特に注力しているのが二次電池(充電再利用可能な電池)分野。携帯電話やノートパソコンの電源として使われる電池、また、電動工具の電源としての電池などが大きな市場となっている。

注目されるのはこのマーケットシェアだ。用途分野別(携帯電話、ノートパソコン、電動工具)で見ても、電池品種別(リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、カドニカ電池)いずれで見ても圧倒的なシェアを獲得している。同社は二次電池の分野で世界のトップ企業となっているのだ。電池そのものの高い技術力に加え、電池を単体で売るのではなく、携帯電話用のパック、ノートパソコン用の電池パックとして供給するという本社は仕様に合わせた戦略が成功しているといえる。

二次電池分野でリーディング企業となった三洋電機モバイルカンパニー。「世界のトップ企業を目指して、毎年われわれのトップが経営方針を出していますが、今年のキーワードは『責任の年』。供給の責任をはじめとして、リーディング企業として責任を果たしていく考えです」(同社コンポーネント企業グループ モバイルエナジーカンパニー MIS/BPRビジネスユニットIT推進部部長 山田義憲氏)。

携帯電話用電池の主流になっているリチウムイオン電池をはじめ、相次いで生産増強が図られており、非常にホットな状況になっているという。携帯電話、ノートパソコンの今後の伸びは更に期待できるとのこと、これからの電池分野の市場拡大に対応した同社の事業展開が大いに注目されるところである。

さて、同社では、2000年度からグローバルなSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)を指向、そのインフラとしてSAP R/3をベースにした情報システムが稼働している。ここに、Tivoli製品が導入され、24時間365日ノンストップの基盤として、システム運用管理に成果をあげている。

そこで、前出の山田部長と同IT推進部ERP推進課北内有彦氏にインタビューした。




グローバル展開にグローバル・スタンダードのTivoliを選定
同社では、地図に示したように北米、中国/東南アジア、ヨーロッパと、正にグローバルな事業展開を行っている。中でも、電池単体よりも用途に合わせたパック化による供給が主流となっているだけに、SCMの確立は大前提。グローバルなSCMを支える情報システムの構築は急務であったといえる。山田部長は「したがって、基幹システムも含めてグローバル対応が求められていました」と語っている。

SAP R/3によるシステム構築は、2000年から着手。オープン系システムに不可欠のTivoli製品による運用管理システム構築も同時に行われた。

「システム構築の究極の目的は、まさしくMIS(マネジメント・インフォメーション・システム)のグローバル対応の中での実現でした。システム構築に際しては、日本IBMとのパートナーシップによりスタートしました。目的は世界最強のグローバルSCM構築でした」(山田部長)。

この背景には、スピード、品質、安定供給などの顧客満足度の向上と、それを前提としたBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)の実践があったという。

グローバル展開を支えるシステム構築は、ERP(SAP R/3)、SCM、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)の3つの分野をベースに着手されている。これらの中核としてSCMが実現されたのである。

システム構成図は、Tivoli製品を中心に作成されているが、図中のSPNode#1から11までは、IBMのRS/6000SPで構成、この中には、R/3の本番機、SCP本番機がはいっている。SMARTというのは、レガシー系の生産管理システムで、上段にあるEAI(エンタープライズ・アプリケーション・インターフェース=複数のAPを統合してやりとりする)を通してR/3と情報交換を行っている。

当初導入したシステムは、R/3、SCP、EAI、DWH、販売計画システムを同時期に立ち上げ、これらの稼働監視、ジョブ管理を行う為にTivoli製品が導入されている。

「グローバル展開では、24時間365日の安定稼働が求められる。そこで、グローバルスタンダードな運用管理ツールとしてTivoliを選んだのです」(山田部長)。




システム構築段階から統合運用管理導入を視野に
「マルチプラットホーム、マルチベンダー環境での運用管理を考えた場合、統合監視ツールの必要性は必至で、システム構築段階から考えていました。ツールは、IBMさんとも協議して、最終的にTivoliとしました」(山田部長)という。

導入されている製品は、IBM Tivoli Distributed Monitoring、同 Manager for R3、同Workload Scheduler for R/3、同 Management Framework、同 Monitoring、同NetView、同Enterprise Console、同Manager for Oracle、同Storage Managerで、Tivoliのラインアップが適材適所で利用されている。

特筆すべきは、統合運用管理システムの導入を、アプリケーションシステム構築のスタート時点で視野に入れ、これを同時並行的に構築していったこと。一般にシステム運用管理は後回しにされ、全体のシステムが出来上がった段階で手がつけられることが多いようだが、同社の場合、グローバルなSCM実現のための重要なインフラとして、システム運用管理を捉えている点が注目されるところである。

「やはりサプライチェーンを支えるシステム運用管理にスポットを当てたことが、運用に大きく貢献していると思います。特に、Tivoli Workload Scheduler については、慎重にチェックしました」(北内氏)。

監視にスポットが当てられているのが一般だが、Workload Schedulerにフォーカスしている点もユニークだ。

「監視については、まずビジネスプロセスを止めないという大前提がありました。これを実現するためには、『「何」を「どのように」「どこまで」監視するか』を十分配慮しました。要するに、的を絞った効率のいい監視に心掛けたということです。プロジェクトを進め、R/3を使いながら、効率のいい監視を探っていったということです。したがって、統合テスト終了前には、監視運用があらかた出来上がっていました」(北内氏)。

同社はEAI を使っているが、EAI はビジネスフローの中核として、それに関連するシステムを統合・連携する役割を担っている。そして、EAI の独自処理と並行稼働する形で、ここにもTivoli製品が採用されている。プロジェクトを進めながら、より的確な形を追求していったことで、トータルで、サーバーモニタリングやERP/SCPはもちろん、他のシステム監視を含めて、ジョブスケジューリングも管理できるシステムとなった。EAI により、他のシステムにデータを流してビジネスフローを実現しているが、「流す」データがスケジュール通りに来ないと意味がない。データがしっかりと作られるためには、決められたスケジュールで動かなければならない。これをスムーズに動かし、しかも監視するためにあるのがTivoli Workload Schedulerである。そして、複数のアプリケーションを統合的に一元管理しつつ、運用管理できるというのがWorkload Schedulerを利用するメリットだ。



24時間365日ノンストップへ対応も評価
「われわれが、新しいシステムを構築する際に大前提としたのは、24時間365日ノンストップで一元管理ができるシステムをいうことでした。同時に、コスト削減、人員の増加抑制などを念頭に入れてプロジェクトを進めてきました。もちろん、サービスレベルの向上は必至の課題でした」(山田部長)。

三洋電機モバイルエナジーカンパニーの組織は、経営企画、CRM、グローバルオペレーションなど29のビジネスユニットで構成され、それぞれにビジネスユニットリーダーを任命、シビアな評価をスピーディーに行える環境ができている。したがってカンパニーのIT推進を担当するMIS/BPRユニットとしても、事業にいかに貢献しているかが極めて重要なポイントであり、BPR実現と新システム構築は、ITサービスレベルの向上に直結している必要があるとのこと。

「われわれのビジネスユニットはモノを造っているわけではないので、やはりITという側面から、いかによい環境をローコストで提供して、直接ビジネスをやっているユニットの業務遂行をサポートするかということ。有効なデータや情報を提供して各ユニットのビジネスの成功に貢献することが、われわれの使命だと考えています」(山田部長)。

現在、Tivoli製品を利用して、コアメンバー2名、オペレーター4名で、24時間365日ノンストップのグローバルSCMシステムを一元管理・運用し、ビジネスに貢献しているという。

2000年2月にプロジェクトスタート、2001年8月にカットオーバー。極めて短い期間で密度の濃いプロジェクトが進行した。「このプロジェクトでの苦労は?」と聞くと、「当初R/3のBASISとしてプロジェクトに参画し、R/3だけでなく周辺システムの立上げにも参画する事となった。Tivoliの立上げ時にはジョブ定義を行う上でビジネスフローの情報を集めるのが大変でした」(北内氏)という。

今後の課題として、北内氏は次のように語っている。

「われわれは、エンド・ユーザーに有効なデータや情報を提供することが使命です。今後の課題としては、われわれが今取り組んでいるSCMシステムの運行状況をエンド・ユーザーにより一層分かるようにしていく、エンド・ユーザービュアーに注力して、エンド・ユーザーとの距離を縮めていくことにあると考えています。また、Tivoli及び他の管理ツールから得られる様々な情報を一元管理し、分析を行う仕組みを構築して、システム運用の品質維持向上・ローコストオペレーション・投資の最適化について『攻めの運用』を指向していきます。」

新システム構築のためのプロジェクト発足からシステムの統合運用管理を視野に入れ、「攻めの運用管理」を指向しようとしている同社の考え方は、これからのシステム構築に、ひとつの方向性として大いに注目され、統合運用管理の実践例として高く評価されるところである。


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