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基幹システムの中心的存在へ――幅広い連携で主役交代狙う
6月7日、ビジネスオブジェクツ社の創設者で現在会長兼最高戦略責任者であるベルナルド・リオトー氏が来日し、会見をした。
EPM統合基盤での存在感
リオトー氏の来日は7年ぶりになるという。氏は先日会見を開いたCEOのジョン・シュワルツ氏も説明した、「BI2.0」の概要について語った。
BIツールは現在「ユーザー」「プラットフォーム」「ネットワーク」「アプリケーション」「コミュニティー」という5つのフェーズで技術的な革命が進行しており、この流れに合わせてBIの概念やツールの機能もより進化していくという。
具体的にはBIを活用する層が企業の中で、現場のスタッフ、管理者へと進行していき、モバイル端末やインスタントメッセージング機能にも取り入れられていくという。そのような状況が進行すれば、BIツールが示すデータをより多くのユーザーが共有し、分析の深度もより進んでいく。
もはやBIは財務担当や一部の経営層、パワーユーザーだけが活用するのではなく、より広範囲に利用されていく流れは国内の一部のユーザーで進行している。今回のリオトー氏の話で、最も目を引いたのは、「アプリケーション革命」の部分だ。ERPやCRM、SCMは基幹システムの中心的存在だったが、今後はBIのプラットフォームがプロジェクトマネジメントツールのプラットフォームと統合されていき、その地位を飛躍的に高めていく、という見通しをリオトー氏は持っているようだ。
「ダッシュボードやスコアカード、レポーティング、OLAP、データ統合などの機能を単一のプラットフォームに載せることができるのは、当社の製品だけだ。しかもオラクルやSAP、マイクロソフト製品との親和性も高い。このプラットフォームにプロジェクトマネジメントツール群とを組み合わせることで、EPM(enterprise performance management)の統合プラットフォームが完成する」とリオトー氏は話す。
レポーティングツールという見方は時代遅れ
リオトー氏の主張をそのまま受け入れれば、これまでは蓄積された情報を定型のスタイルに落とし、業務プロセスの自動化を図る役割が重要視されていた。しかしこれからは企業活動の最適化を図る仕組みが注目される時代へと変換しようとしているということなのだろう。業務プロセスの自動化を図っていた時代ではBIツールはそのレポーティング機能が重要視されていた。しかし、今後は基幹システムの中心的存在へとBIが変化していくということである。
企業活動を最適化するという取り組みはさまざまだが、実績のデータをいかに最適な形で抽出するかがカギになってくる。例えば生産原価を割り出そうとしても製造過程が複雑すぎて、正確に把握することが難しいケースもある。このような場合、これまではERPパッケージをカスタマイズするなどして多くの企業が対応してきたわけだが、BI2.0ではこうした業績管理の肝の部分でBIの仕組みが中心的役割を担っていくことになる。
ただ、現状の日本のユーザー企業の多くは、BIツールの導入を最優先しているとは言いがたい。これに対してリオトー氏は「BIを基幹システムに付随するレポーティングツール、という見方をしていると、当然投資の優先順位としては低くなるだろう。しかし欧米ではBIツールは多くのCIOやIT担当者が真っ先に導入したいものとして定着している。日本のユーザーにも、今のBIの本当の姿を知っていただきたい」と語った。