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SCMパッケージソフト 開発勉強日記です。 SCM / MRP / 物流等々情報を集めていきます。
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EMS(Electronics Manufacturing Service)の登場
 日本では企業の過剰設備の売却が相次いでいるが、米国では新たな動きが出ている。製造請負工場企業の大躍進である。メーカーが維持できなくなった製造工場を買収し、請負専門工場として生まれ変わらせて大躍進を続けている企業群がある。ソレクトロン社、SCIシステムズ社、ジャビル・サーキット社、サンミナ社、フレクトロニクス社、セレスティカ社などはEMS企業と呼ばれ、HP(ヒューレット・パッカード社)、NCR社、IBM社、三菱電機、ICL社などから買収した工場は世界中で50拠点以上ある。これらの企業群の中で、ソレクトロン社は、従業員25000人、売上は80億ドルを超え、毎年50%以上の成長率で企業規模を拡大している。EMSは製造を請負う専門工場企業である。EMSはメーカーから工場だけでなく従業員も一緒に買収する。買収が決定すれば、投資銀行などの金融機関が買収し、EMSは金融機関より工場と従業員をリースして資本投下はしない。メーカーは膨大な設備投資から必要に応じたEMS利用に経営を変更し資産改善が可能になり、EMSは専門工場をいくつもの企業の請負生産で設備をフル稼動する。金融機関はより効率的なリース収入を確保する。メーカーとEMSと金融機関の連携が世界の経営資源の最適化に向けて動き出している。現在ではEMSの顧客は買収した先の企業であるHP社、NCR社、IBM社、三菱電機、ICL社ばかりでなくノキア社、エリクソン社、モトローラ社、デルコンピュータ社なども顧客とした世界の工場としての活動を始めている。
 世界的経営資源の最適化に向けて、世界的SCMの動きの中心にEMS企業がある。

 かって世界の工場であった日本企業が工場設備の閉鎖・売却という状況にある中、EMS企業が次の世界工場としての地位を固めつつある。すでに有力なEMSが日本企業の国内工場買収を交渉中である。SCMとは企業や業界の枠ではなく国家社会、世界社会の枠で今や考えられている。世界的経営資源の最適化に乗り遅れた企業は、世界社会からその存在意義を否定されるだろう。もはや個別企業や日本の業界というローカルな視点ではSCMの本質を理解することはできない。


 他メーカーから受注した電子機器の受託生産を専門に行なう企業のこと。OEMと似たような形態を取っているが、EMSでは製品の設計も受注先に代わって行なっている。

 旧来の大手電子機器メーカーから過剰設備となっている工場を安く購入し、そのメーカー以外からも広く受注することで回転率を上げている。操業率が高くなる分、EMSに新規に発注する企業だけでなく、工場を売却したメーカーにとっても経営の効率化がはかれる。

 パソコンなどの情報機器は共通部品が多いため、同じ部品を大量購入することによるコストダウンも期待できる。また、従業員ごと工場を金融機関に買い取らせ、EMSはその金融機関から賃借して操業するなど、自社工場を所持するリスクを回避して営業している企業もある。

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