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シェブロンテキサコ

“デマンド指向”で企業価値を搾り出す――DCM的アプローチの効果やいかに?

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名 称 ChevronTexaco Corporation
所在地 米国カリフォルニア州サンフランシスコ
代表者 デビッド・オレイリー(会長兼CEO)
従業員数 5万人強
売上高 1,044億900万ドル
(2001年12月期)
事業内容 原油の採掘・精製・販売、ガソリンスタンドの運営
url http://www.chevrontexaco.com/

SCMの世界では“川上”“川下”という言葉があることからも分かるように、一般的には製造から流通、販売といった順序で商品や情報が流れる。だが、こうしたとらえ方は、言うなれば、供給側の論理にすぎない。それへのアンチテーゼとして最近脚光を浴びつつあるのが、顧客の動向を基に生産や物流といった川上の戦略を組み立てるデマンド指向のSCMすなわちDCM(Demand Chain Management)である。本稿では、この“デマンド指向”への転換をいち早く実現した米国の石油メーカー大手、シェブロンテキサコの取り組みを紹介しながら、このアプローチを推進するうえでのポイントを明らかにする。

ベン・ワーセン text by Ben Worthen

ぎりぎりの選択

シェブロンテキサコのラブレーン給油所。昨年夏のオープン以来、1度も在庫切れは発生していない。 photo by Andy Freeberg

 今年夏のある日の夕方、カリフォルニア大学に籍を置く25歳の女子学生、マーゴ・ハッセルマン氏は、カリフォルニア州ダンヴィルのラブレーン通りに面するシェブロンテキサコのラブレーン給油所で、1998年型のトヨタ・カムリに無鉛レギュラー・ガソリン13.87ガロンを給油していた。同給油所は、富裕層が多く住むサンフランシスコ郊外に立地しており、セルフサービスの給油ポンプ8基のほか24時間営業のコンビニエンスストアや自動洗車装置も完備し、近代的なたたずまいを見せる人気店である。

 さらに趣向が凝らされているのが地下設備だ。無鉛ハイオクガソリン用として1万4,250ガロン、レギュラーガソリン用として1万9,000ガロンという大容量のタンク2基が配備され、それぞれには電子制御の油量モニタが接続されている。モニタが得た情報は地下ケーブルを通って給油所の管理システムへ、その後さらに人工衛星を経由して同州サンラモンの大手石油メーカー、シェブロンテキサコの在庫管理システムへと送信されているのである。

 実は、ハッセルマン氏が給油していたとき、このラブレーン給油所の地下タンクには、3,538ガロンの無鉛ハイオク・ガソリンと、5,877ガロンのレギュラー・ガソリンしか残っていなかった。帰宅を急ぐ車であらゆる道がごった返すラッシュ・アワーまでは残りわずかな時間しかない。通常であれば、すぐにでもタンクにガソリンを補充しなければならない状況である。

 だが、そんな状況は、同店にとってごくありふれた場面の1つにすぎない。なぜなら、同給油所を経営するシェブロンテキサコは、綿密な計算に基づいて、各店舗のガソリン需要を予測し、最も効果的な時間帯に配送を行うという合理化を実施しているからである。つまり、配送の頻度を可能なかぎり減少させ、コストを抑えながらガソリンを運ぼうというわけだ。

 実際、驚異的な配送頻度の少なさにもかかわらず、ラブレーン給油所では2001年8月のオープン以来、1度たりとも在庫切れを起こしたことがない。そして、そのようなぎりぎりの選択を可能にしているものこそ、シェブロンテキサコが誇るDCM(Demand Chain Management)なのである。

需要からのアプローチ

 シェブロンテキサコは、年間売上高1,000億ドル以上を誇る、全米8位の巨大企業である。そんな同社にとって、在庫切れと保留(給油所のタンクが満杯で配送を取りやめること)は、長年にわたって頭の痛い問題であり続けてきた。広い国土を持つ米国では、輸送の際に生じる無駄が、企業の収益に多大な影響を及ぼすのである。

 そうした問題を未然に防ぎ、合理的な配送スケジュールを作り上げるために同社が目を付けたのが、消費者の需要動向であった。1990年代中ごろには、過去数年間の売上データなどを基に各店舗ごとのおおまかなガソリン販売の傾向を割り出し、それに応じて「必要な場所に必要なだけガソリンを配送する」という仕組みを作り上げた。一方で、需要動向データをすべての社員が自由に閲覧できるよう、システム統合にも取り組んだ。

 このアプローチは予想以上の成果を上げ、シェブロンのダウンストリーム・チェーン──在庫管理、物流、販売など生産より下流のサプライチェーン──における意思決定は飛躍的に改善されることとなった(ちなみに、アップストリーム・チェーンと言えば、油井探査から採掘、原油の汲み上げなどのチェーンを指す)。

 この成功によって、需要データの信頼性に自信を深めたシェブロンは1997年、この需要からのアプローチを生産の現場にも適応させた。つまり、生産量の決定要因を従来の原油採掘量や製油所の生産能力といった“川上”から、“顧客動向”という“川下”へと180度切り替えたのである。それと同時に、週次あるいは日次で給油所の在庫をチェックし、その結果を分析して1カ月当たりの製油量を決定する本格的な需要予測システムも誕生させた。

 以上のような方向転換の効果は、システム導入初年度から早くも目に見える形となって表れた。製油能力と小売店数が前年度とまったく同じであったにもかかわらず、ダウンストリーム・チェーンでの利益が、2億9,000万ドルから6億6,200万ドルへと急伸したのである。同社のグローバル・ダウンストリーム担当CIO、ルーイ・エールリッヒ氏は、この利益増大の背景には当時の好調な経済状況やシステム化による人員削減の影響もあり、純粋に需要予測による利益増の比率を求めることは難しいとしながらも、そのシステムがビジネスに大きな変革をもたらしたことだけは確かだと語る。

 「我々が実現したのは、根本的に戦略をシフトし、顧客の視点に立つということだった。それまでは、顧客ニーズは常に二の次の問題とされており、我々は機械のように物作りに追われるだけだった」(同氏)

 市場経済が“顧客中心型”に移行したと言われて久しい現在、多くの企業が“需要”を柱に据えた新しいSCM(Supply Chain Management)の概念であるDCMに着目している。そうした動きに先駆けて、シェブロンは製造業の目的が「モノを作る」ことにではなく、「それを売る」ことにあるという真実を証明したのである。

ビジネス・モデルの徹底で価値を最大化

シェブロンテキサコのグローバル・ダウンストリーム担当CIO、ルーイ・エールリッヒ氏は、「デマンド指向を追求したビジネス・モデルへの転換そのものが、当社の価値を高める原動力となっている」と語る。 photo by Andy Freeberg

 実際のところ、シェブロンがDCMに本格的に取り組み始めたころ、同社のシステム環境はお世辞にも整備されているとは言い難い状況にあった。需要データをはじき出すためのアルゴリズムと、データを共有するための環境こそ手にしていたが、給油所の管理やガソリン配送の手配、製油スケジュールといった分野については、自動化の実現にはほど遠く、多くの作業がスタッフの手作業によって行われていた。

 リアルタイム・データを収集するための独自に開発したシステムや、先進的なスケジューリング・システムといった基幹システムが本格的に稼働したのは、1990年代も終盤に入ってからのことである。このことからも、同社のDCM戦略が、「システム先行型」ではなかったことが分かる。

 そのようにシステム環境が未整備であったにもかかわらず、大きな成功を収めることができた要因は何だったのだろうか。エールリッヒ氏は、その問いに対して次のように答える。

 「デマンド指向の立場をとったことで、企業全体がビジネスの流れをマクロ的に把握できるようになったことが大きかった。自分たちの業務の進め方がどのように利益につながり、また顧客の生活とどうかかわっているのか──といったことを直観的に把握できるようになったのだ。我々が手にした成果は、間違いなくビジネス・モデルの勝利によるものだったと思う」

地に足のついた需要予測

 コンサルティング会社、PRTMのコネチカット州スタムフォード支社のディレクター、ピーター・ウィートフェルト氏は、シェブロンテキサコの“需要牽引型サプライチェーン”に、未来のビジネスのあり方を垣間見ている。

 「私は、1990年代中盤以降、SCM戦略をそれまでのサプライ指向からデマンド指向に切り替えようとした企業をたくさん見てきた。だが、その中で石油業界ほど広範かつスピーディにその移行を実現した業界はない。シェブロンテキサコはその最たる例だが、同じような手法で利益を高められる業界はほかにもきっとあると考えている。その法則を見いだし、ユーザーにアドバイスしていくのが、我々の役割でもある」と同氏は熱く語る。

 ちなみに、PRTMが2001年に発表したある調査結果によると、業界で上位に位置する企業は、他の企業に比べてサプライチェーンを効果的に運用しているという傾向があることが明らかになった。

 この調査は、3年間にわたってPRTMがあらゆる業種の代表的な企業を対象にベンチマーク・テストを行い、それをまとめたものだ。詳しい数字に目を移すと、業界もしくは業種で上位20%に属する優良企業は、中位の企業と比較すると、在庫回転期間(上位企業:35日、中位企業:74日)、運転資本回転日数(同36日、同84日)とも約半分程度。また、また恒常的な20%の需要増へのレスポンス・タイムも、上位企業のほうが圧倒的に優れていた(同9日、同20日)。ウィートフェルト氏は、こうした傾向を次のように分析する。

 「顧客の動向を起点にサプライチェーンを考えることの重要性が、ようやく浸透してきたのだろう。かつて、需要予測といえば3カ月も先の動向を手にすることだと思われてきた。だが、本当に大事なのは、“明日”の需要だ。そのことに早く気づいた企業が、市場で優位に立っていると見ることができる」

 また、ウィートフェルト氏は、シェブロンの取り組みが効果を上げているもう1つの要因として、同社の事業形態がDCMにマッチしていることを挙げている。

 「DCMを展開するうえで、最も重要なのは最新の需要データを手に入れることだ。こればかりは、直接小売りにかかわっている企業でなければ手に入れられない。生産から販売、さらには流通までを手広く扱い、サプライチェーンのアップストリームにもダウンストリームにもかかわっているシェブロンだからこそ、短期間に成功を収めることが可能だったとも言える」

外部取引も最適化

シェブロンテキサコの東部地区担当製品供給マネジャー、ダグ・グリーソン氏は、「需要予測システムを取り入れたことで、社内だけでなく、社外との取り引きについても低コスト化を図ることができた」と強調する。 photo by Rocky Kneten

 シェブロンのダウンストリーム・チェーンの起点となるは、サンラモンとヒューストンにあるオフィスである。ここでは、石油・ガソリンのトレーダーたちが、社内のマーケティング活動の実態や石油、ガソリンの生産・販売プランなどの情報を基に、オープン市場ならびにスポット市場でどれだけの量の原油を購入するかを決定する。

 かつて、こうしたトレーダーたちは、情報と同じぐらい経験から得た勘を重視する“カウボーイ”と見なされていた。だが今や、シェブロンのトレーダーたちが最も頼りにしているのは、最新の需要データなのである。

 購入する原油の量が決まれば、次に製油、マーケティング、ロジスティクスの担当者で構成される地域別のコーディネーション・チームが、ネットワークで結ばれている全給油所、さらに直接取引をする航空会社や運送業者のニーズを考慮しながら、どのような割合(例えば、ガソリン50%、軽油30%、ジェット燃料20%といったようなもの)で燃料を生産するかを決定する。

 だが、それだけで必要な商品がすべて手に入るわけではない。というのも、現在、シェブロンが販売している石油、ガソリンの量は、全米7カ所に建設されている同社の製油所の最大生産量を大きく超えてしまっているからだ。したがって、他の石油企業と契約を結ぶなど、外部からの仕入れルートも確保しなければならないのである。それでも足りない場合は、スポット市場と呼ばれる業界内の市場から手に入れることになる。このように、二重三重の“保険”をかけておくことで、消費者のニーズに常にこたえられる体制を整えているわけだ。

 同社の製品供給マネジャー、ダグ・グリーソン氏は、デマンド指向のビジネス戦略と需要予測を取り入れたことによって、社内生産分はもちろん、外部から購入する際のコストも大幅にカットできるようになったと語る。

 「社内の工場、また外部委託によるガソリン生産量は、そう簡単に量を変動させるわけにはいかない。そこで、需給を調整するために重要になるのが、スポット市場での購入分だ。従来は、価格に関係なく、必要なときにそのつど購入していたが、今では月初めにある程度の購入量を知ることができるため、バイヤーは最も値段の安い時期を見計らって購入することができるようになった。一カ月当たりの節約額は、同市場だけで40万ドルにも上っている」(同氏)

 同氏によると、スポット市場で購入するガソリンの量は、多い月には販売量の30%を占めるまでに増加したという。その結果、地道にカットしたコストが大きな利益となるまでに至っているという。

サプライチェーンを支えるスケジューリング

 それではここで、シェブロンが生産、または購入したガソリンが、どのようなかたちで消費者のもとに届けられているのか、その流れを少し詳しく見てみることにしよう。

 前述したように、ラブレーン給油所など各給油所の在庫データは、衛星を介して集約される。その窓口となるのが、カリフォルニア州コンコードにある顧客注文入力&出荷センターだ。同センターでは、まずロード・プランニング・システムによって、各給油所を常に営業可能な状態にしておくために必要な最小限の配送回数が算出される。その情報を基に、続いて需要予測&スケジューリング・システムによって各給油所ごとに向こう5回分の配送計画が立てられる。もちろん、需要動向に変動が見られる場合には、この計画はリアルタイムで修正される。

 そうして、その配送計画にしたがって、1万ガロンの容量を持つ輸送トラックが各給油所へ向かうことになるわけだが、そのガソリンは製油所から直接運び出されるわけではない。製油所からパイプラインを経由して1度「ターミナル」と呼ばれる大規模貯蔵庫に集められ、そこでトラックに積み込まれるのである。このターミナルのタンク内のガソリンの容量を調整するのも、重要な作業である。

 例えば、ラブレーン給油所付近のエリアを受け持つコネチカット州エイボンのターミナルは、高さ43~54フィートのタンク8基を備えるという巨大な施設だが、いくら貯蔵できる容量が大きくても、オリンピックのような大規模イベントが開かれたり、原油価格が急落して一気に需要が伸びたりすれば、あっという間に在庫は底をついてしまうことになる。

 仮に1度でも在庫を切らしてしまえば、近隣の給油所ははるか遠方のターミナルから配送を受けなければならないハメになり、莫大なコストがかかる。しかも、石油精製施設から伸びるパイプラインの本数には限りがあり、複数のターミナルで1本のラインを共用していることが多い。つまり、1カ所で不具合が起きれば、芋づる式に被害が連鎖してしまうのである。その意味で、ターミナルに対しては、給油所以上にシビアな在庫管理が求められるのである。

 実際、ターミナルの在庫をより確実に管理するために、シェブロンは昨年末、ソフトウェア・ベンダーの協力を仰いで新たに開発した高性能の需要&スケジューリング・システムを導入した。これによって、8年前に自社の数学者たちが独自に編み出した需要予測とスケジューリングのアルゴリズムは、ようやくその役目を終えることになったのである。

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メリットを守るか、デメリットを防ぐか

 以上のように、デマンド指向のビジネス・モデルへの移行を可能にした最大の要因は、言うまでもなくITである。ITによって、正確な需要情報を把握するとともに、その情報をシステム間で共有できるようになったことは、疑いようがない。

 だが、同社CIOのエールリッヒ氏は、これらの取り組みを、一般のITプロジェクトとは区別して考えているという。

 「サプライチェーンを通じて情報を運用・管理するITの役割が大きいのは事実だが、より重要なのは、企業としてその情報をどう活用していくかという明確なビジョンを持つことだ。事実、システム面のみを見れば、今日でさえ当社のダウンストリーム・チェーンを担うシステムのほとんどがカスタム・ビルドのままであり、しかも、うまく統合されているとは言い難い。つまり、ITプロジェクトとしては必ずしも完璧なわけではないのだ」と同氏は指摘する。

 確かに、現時点では、給油所とターミナル、製油所はそれぞれ異なる管理システムを運用している。情報の共有化こそ早くから実現されているが、サプライチェーンの各部から詳細な情報を手に入れたいと考える社員は、いまだにアプリケーションを行き来しなくてはならないという不便を強いられている。

 同社が多額の費用をかけてSAPとともに開発しているサプライチェーンをシームレスにつなぐマスター・システムの導入は来年の予定で、システム環境の本格的な整備はどうやらその後のことになりそうだ。

 METAグループのアナリスト、ドワイト・クラピッチ氏は、こと技術面に関するかぎり、シェブロンと同様の取り組みはどんな企業にも可能なことだと見ている。同氏は次のように続ける。

 「それでは、なぜ他の企業がそうした取り組みをしないのか。それは、これまで企業機密として厳しく保護してきたような数字やデータを他社と共有することに二の足を踏んでいるからにほかならない。例えば、自動車メーカーAとタイヤ・メーカーBがあったとしよう。A社におけるタイヤの在庫が切れる前にB社がそれを補充できるようにしておけば、すぐにでも合理的なサプライチェーンが構築できる。だが、A社の幹部は、自社の在庫が少ないということをB社に教えてしまえば、足もとを見られ、値段を吊り上げられるのではないかと危惧しているのだ。これでは、いつまでたってもデマンド指向のSCMは実現できない」

 エールリッヒ氏は、自らがシェブロンのプロジェクトを率いてきた経験から、情報共有のメリットが潜在的デメリットをはるかにしのぐことを確信しているという。微々たるデメリットを気にするあまり、抜本的な改革をしないというのは、浮上するチャンスを企業が自ら潰していることに等しいというのが、同氏の見解なのである。

 同氏は、シェブロンのSCMに対する基本的なスタンスを次のような言葉で表現する。

 「我々の目標は、一にも二にも“必要なときに必要な場所にできるだけ安く製品を用意すること”だ。需要予測を組み込んでいるのも、その目標を実現に移すうえで、最もコスト・パフォーマンスの高い手法だと考えているからにすぎない」


TITLE:Case File : シェブロンテキサコ | “デマンド指向”で企業価値を搾り出す - CIO Online
DATE:2007/06/09 20:13
URL:http://www.ciojp.com/contents/?id=00000763;t=23
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ヨドバシショックとRFID
 家電量販店大手のヨドバシカメラは、UHF帯無線タグを納入商品の検品などに導入する方針を表明した。世にいう「ヨドバシショック」である。

 ヨドバシショックと歩調を合わせるかのようにRFIDの本格導入への足音が大きくなってきている。ヨドバシカメラでは、検品作業などにおけるRFIDの利用を推進し、日本初の大規模な商用RFIDシステムの運用開始に向けて準備を行っている。

 ヨドバシショックを契機に日本でもRFIDの本格導入の動きが加速するかどうか、目が離せない状況になってきているわけだ。

 米国ではウォルマート、欧州ではメトロと、欧米の巨大小売業はEPCグローバルへの合流を表明し、サプライヤーにRFID武装を急がせている。この流れがついに日本にも波及しようとしているとも考えられる。

 ウォルマートは米国内の「ウォルマートストア」百四店舗と系列の「サムズ・クラブ」36店舗、および物流センター3拠点で主要取引先百社とEPCグローバルの運用を始めている。

 ウォルマートは今後、さらにEPCの導入範囲を広げていく方針だ。導入される物流拠点は今年中にさらに拡大される。導入取引先も増やしている。EPCの導入でウォルマートの誇る高度な共同情報システム「リテールリンク」やPOSシステムもより一層、高度化されるだろう。

 すなわち、米国ではRFIDが実用段階に達しつつあるのだ。そして特徴的なのは、日米欧でRFIDの導入が大型小売店主導で行われていることである。小売業主導の物流改革が、今後の大きなトレンドとなりそうである。

SCM推進協が「取引相談室」を新設  繊維産業流通構造改革推進協議会(SCM推進協=馬場彰会長)は8日に総会を開き、08年度の事業計画を決めた。これまでのテキスタイル―アパレル間に、小売を加えた一気通貫のTARプロジェクトを設置して全体最適を加速するほか、取引相談室を新設して問題解決を図る。さらに田中腆士専務理事の任期満了に伴う退任(参与就任)と、その後任に阿部旭事務局長の昇格を決めた。
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