SCMパッケージソフト 開発勉強日記です。
SCM / MRP / 物流等々情報を集めていきます。
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5000個あった旧IBMの社内システムを10個以下に
中国レノボ・グループのスティーブ・J・バンドローザック上級副社長兼CIO(最高情報責任者)
写真 中国レノボのバンドローザック上級副社長兼CIO(最高情報責任者)
独DHLのCIOを5年近く務めたあと、2005年にレノボに移った
[画像のクリックで拡大表示]
2005年5月に米IBMのパソコン部門を買収した世界3位のパソコン・メーカー、中国レノボ・グループ。07年3月期の純利益が前年比7.3倍になるなど、業績好転を支える情報システムの変革について、スティーブ・J・バンドローザックCIO(最高情報責任者)に聞いた。
旧IBMのシステムは課題が多かったと聞くが具体的に教えてほしい。
旧IBMは、パソコン・メーカーに最適化されたサプライチェーン管理の仕組みを持っていなかった。このため、システムと業務プロセスの両方を変革する必要があった。
IBMは当時、5000種類もの社内システムを運用しており、複雑すぎた。ビジネス環境の変化に対応できる柔軟さに欠け、経営指標をリアルタイムに見ることもできなかった。
これを08年1月ころまでに10種類以下に集約する。旧システムのほとんどを停止し、新システムに移行する。
システムの具体的な改善点は。
最初に取り組んだのは、受注管理と部品管理の仕組みを連携させることだった。パソコンの納期順守率を向上させるためだ。
例えば、顧客が80GバイトのHDDを指定したとする。このとき80GバイトのHDDの在庫がなかったら、受注管理システムは別の選択肢を推薦する。「いまなら100GバイトのHDDがキャンペーン中です」といった具合だ。これによって、顧客はより高性能のパソコンを納期通りに入手できるし、当社の在庫回転率も高くなる。
納期順守率は、特に法人ユーザーの顧客満足度を高めるのに重要な要素だ。社内導入のタイミングに遅れてはいけないし、早く届けて顧客の在庫を増やしてもいけない。
納期順守率はどれくらい向上したのか。
新システムは、サプライチェーン・ソフト大手の米i2テクノロジーズの需要予測ソフトなどをベースに、06年8月にまず中国で稼働させた。納期順守率は07年2月までにノート・パソコンが43%、デスクトップ・パソコンが24%向上した。
今後の計画は。
i2をベースにした新システムを08年中に全世界に展開する。そのときに受注から3日間でパソコンを生産し、納入できる体制を作る。現在は8日間で納入できる割合が88%であり、それを大幅に改善させる。
旧IBMは法人市場に特化していたが、今後は個人市場に再参入すると聞く。それに向けたシステムの改善点は。
個人と法人でニーズは大きく異なるが、システムは共通化しなければならない。法人市場は、個々の企業が定めた標準仕様に従った製品を求められ、高い安定性が必要になる。一方の個人はCPUやHDDのメーカーなどにはこだわらない。それぞれで余った部品を融通しあえば、在庫管理などでより柔軟になるだろう。
中国人である従来のレノボのシステム部員と、旧IBMのシステム部員の連携はうまくいっているのか。
中国人のスタッフは当初、中国ローカルのスキルしか持っていなかった。コーディングなどのシステム面のスキルは世界共通だが、グローバル市場に向けて、実際のシステムを展開するには異なるスキルが必要になる。文化や言語の違いを知らなければならない。いま急速に学習しているところだ。
旧IBMと統合した効果はあったか。
私見だが、レノボ単体のままグローバルに展開していたら、10~20年はかかっていただろう。旧IBMの経験を生かして、グローバル展開を急いでいるところだ。
中国レノボ・グループのスティーブ・J・バンドローザック上級副社長兼CIO(最高情報責任者)
写真 中国レノボのバンドローザック上級副社長兼CIO(最高情報責任者)
独DHLのCIOを5年近く務めたあと、2005年にレノボに移った
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2005年5月に米IBMのパソコン部門を買収した世界3位のパソコン・メーカー、中国レノボ・グループ。07年3月期の純利益が前年比7.3倍になるなど、業績好転を支える情報システムの変革について、スティーブ・J・バンドローザックCIO(最高情報責任者)に聞いた。
旧IBMのシステムは課題が多かったと聞くが具体的に教えてほしい。
旧IBMは、パソコン・メーカーに最適化されたサプライチェーン管理の仕組みを持っていなかった。このため、システムと業務プロセスの両方を変革する必要があった。
IBMは当時、5000種類もの社内システムを運用しており、複雑すぎた。ビジネス環境の変化に対応できる柔軟さに欠け、経営指標をリアルタイムに見ることもできなかった。
これを08年1月ころまでに10種類以下に集約する。旧システムのほとんどを停止し、新システムに移行する。
システムの具体的な改善点は。
最初に取り組んだのは、受注管理と部品管理の仕組みを連携させることだった。パソコンの納期順守率を向上させるためだ。
例えば、顧客が80GバイトのHDDを指定したとする。このとき80GバイトのHDDの在庫がなかったら、受注管理システムは別の選択肢を推薦する。「いまなら100GバイトのHDDがキャンペーン中です」といった具合だ。これによって、顧客はより高性能のパソコンを納期通りに入手できるし、当社の在庫回転率も高くなる。
納期順守率は、特に法人ユーザーの顧客満足度を高めるのに重要な要素だ。社内導入のタイミングに遅れてはいけないし、早く届けて顧客の在庫を増やしてもいけない。
納期順守率はどれくらい向上したのか。
新システムは、サプライチェーン・ソフト大手の米i2テクノロジーズの需要予測ソフトなどをベースに、06年8月にまず中国で稼働させた。納期順守率は07年2月までにノート・パソコンが43%、デスクトップ・パソコンが24%向上した。
今後の計画は。
i2をベースにした新システムを08年中に全世界に展開する。そのときに受注から3日間でパソコンを生産し、納入できる体制を作る。現在は8日間で納入できる割合が88%であり、それを大幅に改善させる。
旧IBMは法人市場に特化していたが、今後は個人市場に再参入すると聞く。それに向けたシステムの改善点は。
個人と法人でニーズは大きく異なるが、システムは共通化しなければならない。法人市場は、個々の企業が定めた標準仕様に従った製品を求められ、高い安定性が必要になる。一方の個人はCPUやHDDのメーカーなどにはこだわらない。それぞれで余った部品を融通しあえば、在庫管理などでより柔軟になるだろう。
中国人である従来のレノボのシステム部員と、旧IBMのシステム部員の連携はうまくいっているのか。
中国人のスタッフは当初、中国ローカルのスキルしか持っていなかった。コーディングなどのシステム面のスキルは世界共通だが、グローバル市場に向けて、実際のシステムを展開するには異なるスキルが必要になる。文化や言語の違いを知らなければならない。いま急速に学習しているところだ。
旧IBMと統合した効果はあったか。
私見だが、レノボ単体のままグローバルに展開していたら、10~20年はかかっていただろう。旧IBMの経験を生かして、グローバル展開を急いでいるところだ。
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