SCMパッケージソフト 開発勉強日記です。
SCM / MRP / 物流等々情報を集めていきます。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
改革の行方 岐路に立つOEM 第1部(1)
改革の行方 岐路に立つOEM 第1部(1)
商社編〈1〉
2007年6月4日 (月曜日)
--------------------------------------------------------------------------------
収益改善へ動く ハード、ソフト両面で再構築
商社のアパレル製品OEM(相手先ブランドによる生産)事業で、5月下旬は秋冬物の成約がピークを迎える時期だが、今年は少し例年と様子が違った。「本当に価格が折り合わない。厳しい交渉になっている」とOEM担当者はため息交じりでアパレルメーカーやSPA(製造小売業)との秋冬物商談が遅れていることを明かす。
生産コスト上昇要因の“四重苦”と言われる原燃料の高止まりや生産拠点での人件費の上昇、円安や人民元高といった為替の問題に加えて、今年は春先から輸出増値税還付率引き下げ問題が浮上したことで、日本の製品OEMを支える中国の縫製工場が、死活問題として生産価格の値上げを要求している。
商社は品質の高位安定とQR体制の水準を上げるため、優良な縫製工場とはパートナーとして取り組みを強めている。すでにギリギリの要求をしている工場に対して、これ以上の低価格要求はそっぽを向かれることになりかねず、できれば摩擦は避けたい事情がある。そのことが秋冬物発注で顧客との価格交渉を難しくする。
主力事業の相次ぐコスト上昇要因に対して、商社自身も懸命に収益構造の改革を図っている。しかし、OEM事業の改革には様々な課題が重なり合い、短期的に解決できるよう課題はむしろ少ない。
生産拠点を中心にハード的な側面から見れば、品質管理、生産管理の向上による製品ロスの極小化、現地流通加工の比率を高めることや混載(コンソリゼーション)輸送の徹底による物流コストの削減、工場移転を含めた人件費の抑制、中国一極集中リスクへの対応などがあり、その大前提として人手確保をどう解決するかという問題が横たわる。
事業の仕組みやオペレーションなどのソフト的な側面では、素材開発から製品までの一貫対応、事業会社や外部スタッフを活用した企画力の強化、ブランドの有効活用、分社化による専門性の向上とコスト削減などがある。また、事業環境的に見れば、消費者のライフスタイル化や流通小売再編への対応も不可欠だ。
これらの課題は一朝一夕に解決できるものではない。一気に解決を図れば、効果との兼ね合いで経費倒れになる可能性は大きく、逆効果になる。OEM事業の改革は、できる部分から着実に進めることが、遠回りのようで結局は近道ということかもしれない。
◇
アパレル製品OEM事業はこの1~2年、“四重苦”とも“五重苦”とも言われる生産コストの上昇要因が重なり、急速に収益力が低下している。様々な課題が複合的に重なるなか、何が問題でどう解決しようとしているのか、連載第1部では主力事業として収益改善への改革を続ける商社の動きを通してOEM事業の現状と課題を俯瞰する。
改革の行方 岐路に立つOEM 第1部(1)
商社編〈1〉
2007年6月4日 (月曜日)
--------------------------------------------------------------------------------
収益改善へ動く ハード、ソフト両面で再構築
商社のアパレル製品OEM(相手先ブランドによる生産)事業で、5月下旬は秋冬物の成約がピークを迎える時期だが、今年は少し例年と様子が違った。「本当に価格が折り合わない。厳しい交渉になっている」とOEM担当者はため息交じりでアパレルメーカーやSPA(製造小売業)との秋冬物商談が遅れていることを明かす。
生産コスト上昇要因の“四重苦”と言われる原燃料の高止まりや生産拠点での人件費の上昇、円安や人民元高といった為替の問題に加えて、今年は春先から輸出増値税還付率引き下げ問題が浮上したことで、日本の製品OEMを支える中国の縫製工場が、死活問題として生産価格の値上げを要求している。
商社は品質の高位安定とQR体制の水準を上げるため、優良な縫製工場とはパートナーとして取り組みを強めている。すでにギリギリの要求をしている工場に対して、これ以上の低価格要求はそっぽを向かれることになりかねず、できれば摩擦は避けたい事情がある。そのことが秋冬物発注で顧客との価格交渉を難しくする。
主力事業の相次ぐコスト上昇要因に対して、商社自身も懸命に収益構造の改革を図っている。しかし、OEM事業の改革には様々な課題が重なり合い、短期的に解決できるよう課題はむしろ少ない。
生産拠点を中心にハード的な側面から見れば、品質管理、生産管理の向上による製品ロスの極小化、現地流通加工の比率を高めることや混載(コンソリゼーション)輸送の徹底による物流コストの削減、工場移転を含めた人件費の抑制、中国一極集中リスクへの対応などがあり、その大前提として人手確保をどう解決するかという問題が横たわる。
事業の仕組みやオペレーションなどのソフト的な側面では、素材開発から製品までの一貫対応、事業会社や外部スタッフを活用した企画力の強化、ブランドの有効活用、分社化による専門性の向上とコスト削減などがある。また、事業環境的に見れば、消費者のライフスタイル化や流通小売再編への対応も不可欠だ。
これらの課題は一朝一夕に解決できるものではない。一気に解決を図れば、効果との兼ね合いで経費倒れになる可能性は大きく、逆効果になる。OEM事業の改革は、できる部分から着実に進めることが、遠回りのようで結局は近道ということかもしれない。
◇
アパレル製品OEM事業はこの1~2年、“四重苦”とも“五重苦”とも言われる生産コストの上昇要因が重なり、急速に収益力が低下している。様々な課題が複合的に重なるなか、何が問題でどう解決しようとしているのか、連載第1部では主力事業として収益改善への改革を続ける商社の動きを通してOEM事業の現状と課題を俯瞰する。
PR