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まず熟練工、そしてブランド
山崎製パン、12年越しの不二家“いいとこ取り”
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 「うちも異物混入で苦しんだ。他人事に思えなかった」。山崎製パンの飯島延浩社長は品質管理面で不二家支援を決めた理由をこう説明する。


 それを額面通りに受け取る関係者はいない。山崎製パンの7491億円ある売上高のうちおよそ半分を占める製パン事業は、国内で32%と圧倒的なシェアを占めており成長の余地は小さい。製菓事業を伸ばすほかないが、同社の弱みは菓子分野で強いブランドを持たないことだった。東ハトの買収と同じく、山崎製パンの狙いは「ペコちゃん」をはじめとする不二家の菓子ブランドだ。

 製造技術に関して、山崎製パンが不二家に学ぶことはほとんどない。不二家の工場を視察した山崎製パンの関係者は驚きを隠さない。「想像以上にひどい。うちの基準では考えられない」。機械の隙間に汚れが詰まっている。原材料を管理する専門部署はなく、在庫管理もずさん。「何から手を着けていいのか、途方に暮れた」という。

リストラの受け皿に
 山崎製パンは、もともと不二家の生産技術に興味を持っていた。かつて不二家は生菓子製造の第一人者として「製菓業界にあって、一定の敬意を払われていた」(大手製菓会社首脳)。

 技術を指導する側とされる側が入れ替わる。逆転劇は、12年前の1995年に不二家自身が招いたものだった。当時、山崎製パンは不二家の生菓子製造のノウハウを自社内に取り込み、品質を向上させた。

 95年、不二家は岩手、名古屋、茨木(大阪府)の3工場の閉鎖を決定。合わせて280人の希望退職者を募るリストラを断行した。有価証券や土地などの資産を次々に売却しても、経常赤字を解消できなかった時代だ。

 「集まるか不安。肩たたきをしなければならないかもしれない」と恐れていた不二家経営陣の心配をよそに、280人という定員に対して、あっという間にその人数を上回る応募者が殺到した。売り上げ減少に対する経営陣の無為無策に従業員の心が離れてしまっていることが浮き彫りになった。

 山崎製パンは、このリストラで流出した不二家の熟練工が門戸をたたけば広く受け入れた。「山崎製パンが引き抜いているという噂すらあった」と、当時を知る大手製菓業者の元役員は言う。「不二家の人材は欲しかったが、うちも当時は苦しく生菓子に出る余裕はない。手をこまぬいて見ているほかなかった」。

 山崎製パンの思惑は不二家が閉鎖を決めた工場の譲渡を望んだことからもうかがえる。山崎製パンから閉鎖する茨木工場を生産設備ごと買いたいとの打診があり、不二家は断っている。山崎製パンはリストラの受け皿になることで、不二家の生産技術を、担当者ごと取り入れることに成功したわけだ。

空洞化した不二家の工場
 リストラの大なたが振るわれた95年にPL(製造物責任)法が施行され、それを受けて大手製菓各社は90年代にHACCPなどの衛生管理手法を導入している。2000年には雪印乳業の集団食中毒事件が発生し、食の安全に対する意識が高まった。山崎製パンも2000年には異物混入で回収騒ぎを起こし、AIBと呼ばれる衛生管理手法を導入している。

 この間、工場を支えていた熟練工たちをリストラした不二家は有効な手を打てなかった。空洞化した不二家の工場は、12年前の製菓業界のレベルのまま、ほとんど進化できずにいた。一連の不祥事の原因はここにある。

 「支援しても、立て直しは難しい。山崎さんも苦心するのではないか」。支援を断念した森永製菓の首脳は漏らす。しかし12年前に既に生産ノウハウを取り入れた山崎製パンが見据えるのは、時代遅れで枯れ果てた工場ではない。その視線の先にあるのは、小売業者の棚を確実に占める「ペコちゃん」などの強固なブランド力。とすれば、品質管理面での支援が一定規模以上の出資を見据えたものという見方には十分な説得力がある。

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