SCMパッケージソフト 開発勉強日記です。
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一流の技術者として生き残る条件---大手電機メーカー幹部が語る
2007/01/19
近岡 裕=日経ものづくり
デジタル化で生存競争の激しいこの時代に快走するある電機メーカー。同社の幹部社員が,日本メーカーの技術者にとっての生き残りの条件を語った。「行間」を読みつつ,この三つの条件を紹介したい。
一つは,自分の将来は自ら切り拓くこと。
多くの技術者はチームに所属し,そのチームを率いる上司に従って働いていく。だが,ややもすると短期間での成果を厳しく問われかねない現在では,その上司がいつまでその座にいるか分からない。どんなに指導力があって頼りになる存在でも,いつまでも部下を守れる時代ではないのだ。だから,技術者としての自分の身は,自分で守るしかないという。
そのために,この幹部社員は,技術者は専門領域とその深さを追求して実力を磨かなくてはならないと言う。できれば,専門領域は一つではなく,複数あることが望ましい。技術の細分化と融合が激しい今,技術者として一つのことしか知らないというのでは心許ないというのだ。
もう一つは,手掛ける技術のオリジナリティーとタイミングを見極めること。
世界的に競合企業が多く,技術の標準化(陳腐化)が激しい今,他社にないオリジナルな技術がないと競争には勝てない。そうでなければ価格競争にのみ込まれ,低価格製品に強いアジアメーカーとの消耗戦を強いられることになる。その結果は見えている。人件費が高い分,日本メーカーが負けるということだ。それを避けるには,やはり,オンリーワン技術の開発を目指すことであるという。
だが,オンリーワン技術であればよいというわけではない。その技術が顧客に受け入れられるかどうかを見計らうことが大切だ。先進的すぎても,技術者の独りよがりでも,顧客には選ばれないからだ。そのオンリーワン技術が受け入れられるであろうタイミングを見極めて,力を入れるべき時期が今なのか,3年後なのか,それとも10年後なのか決めるべきだとこの幹部社員は説明する。
そして,残る一つが,経営志向の姿勢だ。
この幹部社員は,工場に導入する生産技術の開発に長年取り組んできた。ところが,「生産技術というのは,スポットライトが当たっているようで,実は当たっていない」と言う。「会社からの評価が意外に低い」という意味だ。なぜそうなのかと考えてみたところ,この幹部社員は「経営陣に対して『数字』を見せていないからだ」と悟る。
ここで言う数字とは,経営指標のことだ。例えば,「生産効率を高めました!」と言っても,経営陣には「それがどうした?」という話になりやすいという。そうではなく,事業全体のサプライチェーンの中で,自分の仕事がどの部分に関与し,売り上げや利益といった経営指標にどれだけ貢献しているかを訴えなければならないのだという。
「技術者は良いものを造ればいい」。この事実は揺らがないが,これからはそれだけでは一流の技術者とは認められないということか。やはり,厳しい世の中だ。
2007/01/19
近岡 裕=日経ものづくり
デジタル化で生存競争の激しいこの時代に快走するある電機メーカー。同社の幹部社員が,日本メーカーの技術者にとっての生き残りの条件を語った。「行間」を読みつつ,この三つの条件を紹介したい。
一つは,自分の将来は自ら切り拓くこと。
多くの技術者はチームに所属し,そのチームを率いる上司に従って働いていく。だが,ややもすると短期間での成果を厳しく問われかねない現在では,その上司がいつまでその座にいるか分からない。どんなに指導力があって頼りになる存在でも,いつまでも部下を守れる時代ではないのだ。だから,技術者としての自分の身は,自分で守るしかないという。
そのために,この幹部社員は,技術者は専門領域とその深さを追求して実力を磨かなくてはならないと言う。できれば,専門領域は一つではなく,複数あることが望ましい。技術の細分化と融合が激しい今,技術者として一つのことしか知らないというのでは心許ないというのだ。
もう一つは,手掛ける技術のオリジナリティーとタイミングを見極めること。
世界的に競合企業が多く,技術の標準化(陳腐化)が激しい今,他社にないオリジナルな技術がないと競争には勝てない。そうでなければ価格競争にのみ込まれ,低価格製品に強いアジアメーカーとの消耗戦を強いられることになる。その結果は見えている。人件費が高い分,日本メーカーが負けるということだ。それを避けるには,やはり,オンリーワン技術の開発を目指すことであるという。
だが,オンリーワン技術であればよいというわけではない。その技術が顧客に受け入れられるかどうかを見計らうことが大切だ。先進的すぎても,技術者の独りよがりでも,顧客には選ばれないからだ。そのオンリーワン技術が受け入れられるであろうタイミングを見極めて,力を入れるべき時期が今なのか,3年後なのか,それとも10年後なのか決めるべきだとこの幹部社員は説明する。
そして,残る一つが,経営志向の姿勢だ。
この幹部社員は,工場に導入する生産技術の開発に長年取り組んできた。ところが,「生産技術というのは,スポットライトが当たっているようで,実は当たっていない」と言う。「会社からの評価が意外に低い」という意味だ。なぜそうなのかと考えてみたところ,この幹部社員は「経営陣に対して『数字』を見せていないからだ」と悟る。
ここで言う数字とは,経営指標のことだ。例えば,「生産効率を高めました!」と言っても,経営陣には「それがどうした?」という話になりやすいという。そうではなく,事業全体のサプライチェーンの中で,自分の仕事がどの部分に関与し,売り上げや利益といった経営指標にどれだけ貢献しているかを訴えなければならないのだという。
「技術者は良いものを造ればいい」。この事実は揺らがないが,これからはそれだけでは一流の技術者とは認められないということか。やはり,厳しい世の中だ。
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