SCMパッケージソフト 開発勉強日記です。
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次世代へ進化するカギは「統合」と「基盤」
注意すべきは,すべてのプロセスが改革されていく一方で,プロセスを結び付ける動きも進行していることだ。プロセスの融合,インテグレーション(統合)が進んでいる。これはCEO(最高経営責任者)にとってきわめて重要かつ困難な問題である。企業の基本的な構成やガバナンス(統治)・モデルはこの課題に直面している。
従来,多くの企業では,これらのビジネス・プロセスのすべてが互いに独立していた。しかし,スピード,サイクル・タイムの改善,お客様への迅速な対応といったe-businessの真の利益を得るために,これらの社内プロセスおよびアプリケーションを統合しなければならない。統合なくして,お客様のデータ,価格情報,在庫量といった,e-businessの血液は企業全体を循環できない。
完全に統合された企業への進化
統合の技術自体は比較的簡単と言える。統合を実現するミドルウェアは現在手に入る。より難しいのは,経営トップが,「当社の経営の仕組みと組織体制を再編成する」とコミットすることだ。経営者である私は,「改革へのコミットは困難な仕事である」と保証できる。
したがって,次世代e-businessに対するCEOをはじめとする経営陣の目標は,電子商取引から次の段階へ行くことだ。次の目標とは,完全に統合された企業,すなわち完全に実現されたe-businessである。
統合されたe-businessの一例を紹介する。家庭電器製品の販売を手がけるウィールプール(Whirlpool)社の事例である。同社は,45もあったさまざまなフルフィルメントおよび財務のプロセスとシステムを統廃合し,社内の仕事の多くをe-business対応にした。
さらに,サプライ・チェーンのためのポータル・サイトを構築,これを使って,取引先,販売業者,流通業者,と同社のバック・オフィス業務を結び付けた。そして同社の顧客である消費者が同じポータル・サイトにアクセスできるようにし,消費者がサイトから小さな機器や付属品を注文できるようにした。
最後に,同社が扱う冷蔵庫,洗濯機,乾燥機に小さなインテリジェンスを持たせ,Webと接続できる機能を取り付けた。一連の製品の第1号は2001年に市場に投入される。これこそ,統合されたe-business,すなわちエンド・トゥ・エンドであり,すべてのリレーションが統合されている状態と言える。
エンド・トゥ・エンドのビジネス・モデルは,「権力分散は善,集中化は悪」という現在花盛りの組織論のお題目を真っ向から攻撃するものだ。私はここで断言しておく。「ネットワークの世界では,完全な分散モードで業務を遂行することは絶対にできない」。ネットワークは統合のための媒体である。この数十年間において,ほとんどの組織が分散化へまい進した結果,業務プロセスは分断され,情報は拡散してしまった。ネットワークこそが,プロセスと情報の統合を可能にする。
次世代e-businessのカギ(2):インフラストラクチャ(基盤)
次世代e-businessの第2のカギは,インフラストラクチャ(基盤)である。e-businessのワークロードは,トランザクション・サーバー上で,Webサーバー上で,ミドルウェア上で,ストレージ機器上で,管理し,処理されるようになる。パソコンでは処理しきれない。
興味深いことに,ワークロードはネットワークそのものの中で管理できるようになる。つまり,トランザクションが発生するエンドユーザーと,従来のデータセンター内のすべての機器との間,そのどこかで処理される。
ただし,e-businessのインフラストラクチャがどういう形になるのかについて,どう構築すべきかについて,またその要件は何かについて,業界全体の意見が一致しているわけではない。以下では私が非常に重要と思うe-businessインフラストラクチャの二つの面について触れる。
エンド・トゥ・エンドが重要
第一に,e-businessのインフラストラクチャは,「エンド・トゥ・エンド」であるべきだ。今まで,「エンド・トゥ・エンド・コンピューティング」というと,同一企業内で,一端にデスクトップ機器があり,他端にサーバーがあることを意味していた。
しかし,これからおとずれる次世代e-businessの世界では,「エンド・トゥ・エンド」の範囲が飛躍的に広がる。一方には,あらゆるサプライヤ,あらゆる販売・流通業者,規制当局(認可機関,税務当局)がある。これらはすべてファイアウオールの外側にある。他方では爆発的な勢いでネットワークに接続できる機器が普及していく。
2003年までにパソコンの出荷台数は7億台になろう。しかし,パソコンの台数は,他のネットワーク接続機器,例えばPDA(携帯情報端末),インターネット対応の携帯電話,ゲーム機に比べるとたいしたことはない。今後数年以内にネットワーク接続機器の台数は10億台になり,モバイル式の電子商取引は2003年までに1000億ドル規模の市場になるだろう。
いわゆる「パーベイシブ(浸透する)e-business」は以上のような新しい種類のエンド・ユーザー・アクセス機器の統合で終わるわけではない。さらに,1兆台以上のネットワーク型の「もの(things)」が登場する。コンピュータとしてはこれまで考えることのなかった「もの」である。これらは,多少のコンピュータ機能と,多少のストレージ機能を備える。
パーベイシブの世界は,すでに始まっている。ペースメーカーや自動車もインターネット・アドレスを持つようになる。これらすべてが私たちにとって,「エンド・トゥ・エンドのインフラストラクチャ」となる。
スタンダードの順守は必須
e-businessのインフラストラクチャで重要となる第2の点は「スタンダード(標準)」である。「エンド・トゥ・エンド」が真に意味することを理解すれば,標準に基づくコンピューティングの必要性はすぐにわかる。インフラストラクチャはオープンで,業界横断的な標準に基づくものでなければならない。これにより,あらゆる場所にいる数百万の人や,あらゆる位置にある数百万の企業と接続でき,あらゆる種類の何十億という機器を接続できる。
だからこそ,オープンな標準を巡る闘いは,闘う価値がある。それがIBMの将来の大きな部分をLinuxにかける理由である。インターネットがネットワーキングや通信に対して果たしてきた役割を,Linuxがビジネス・アプリケーションに対して果たすことができる,と私は確信している。
今後数年,Linuxの出荷の伸びは他のいかなるサーバーのOSをも上回ると予想されている。LinuxはWindows NTの2倍のペースで伸び,ある調査によれば,2004年までに普及率でもNTを上回る,という推計がある。
これはすべてのサーバー・メーカーにとって大問題である。今から3~4年後に独自のUNIXやOSを持つ企業が業界で意義ある位置を保っているかどうかを予想するのは面白い。まだ先のことであろうが,サン・マイクロシステムズ,EMC,マイクロソフトといった企業がプロプライエタリな製品を持つ最後の大手ベンダーとなる,と私は見ている。
注意すべきは,すべてのプロセスが改革されていく一方で,プロセスを結び付ける動きも進行していることだ。プロセスの融合,インテグレーション(統合)が進んでいる。これはCEO(最高経営責任者)にとってきわめて重要かつ困難な問題である。企業の基本的な構成やガバナンス(統治)・モデルはこの課題に直面している。
従来,多くの企業では,これらのビジネス・プロセスのすべてが互いに独立していた。しかし,スピード,サイクル・タイムの改善,お客様への迅速な対応といったe-businessの真の利益を得るために,これらの社内プロセスおよびアプリケーションを統合しなければならない。統合なくして,お客様のデータ,価格情報,在庫量といった,e-businessの血液は企業全体を循環できない。
完全に統合された企業への進化
統合の技術自体は比較的簡単と言える。統合を実現するミドルウェアは現在手に入る。より難しいのは,経営トップが,「当社の経営の仕組みと組織体制を再編成する」とコミットすることだ。経営者である私は,「改革へのコミットは困難な仕事である」と保証できる。
したがって,次世代e-businessに対するCEOをはじめとする経営陣の目標は,電子商取引から次の段階へ行くことだ。次の目標とは,完全に統合された企業,すなわち完全に実現されたe-businessである。
統合されたe-businessの一例を紹介する。家庭電器製品の販売を手がけるウィールプール(Whirlpool)社の事例である。同社は,45もあったさまざまなフルフィルメントおよび財務のプロセスとシステムを統廃合し,社内の仕事の多くをe-business対応にした。
さらに,サプライ・チェーンのためのポータル・サイトを構築,これを使って,取引先,販売業者,流通業者,と同社のバック・オフィス業務を結び付けた。そして同社の顧客である消費者が同じポータル・サイトにアクセスできるようにし,消費者がサイトから小さな機器や付属品を注文できるようにした。
最後に,同社が扱う冷蔵庫,洗濯機,乾燥機に小さなインテリジェンスを持たせ,Webと接続できる機能を取り付けた。一連の製品の第1号は2001年に市場に投入される。これこそ,統合されたe-business,すなわちエンド・トゥ・エンドであり,すべてのリレーションが統合されている状態と言える。
エンド・トゥ・エンドのビジネス・モデルは,「権力分散は善,集中化は悪」という現在花盛りの組織論のお題目を真っ向から攻撃するものだ。私はここで断言しておく。「ネットワークの世界では,完全な分散モードで業務を遂行することは絶対にできない」。ネットワークは統合のための媒体である。この数十年間において,ほとんどの組織が分散化へまい進した結果,業務プロセスは分断され,情報は拡散してしまった。ネットワークこそが,プロセスと情報の統合を可能にする。
次世代e-businessのカギ(2):インフラストラクチャ(基盤)
次世代e-businessの第2のカギは,インフラストラクチャ(基盤)である。e-businessのワークロードは,トランザクション・サーバー上で,Webサーバー上で,ミドルウェア上で,ストレージ機器上で,管理し,処理されるようになる。パソコンでは処理しきれない。
興味深いことに,ワークロードはネットワークそのものの中で管理できるようになる。つまり,トランザクションが発生するエンドユーザーと,従来のデータセンター内のすべての機器との間,そのどこかで処理される。
ただし,e-businessのインフラストラクチャがどういう形になるのかについて,どう構築すべきかについて,またその要件は何かについて,業界全体の意見が一致しているわけではない。以下では私が非常に重要と思うe-businessインフラストラクチャの二つの面について触れる。
エンド・トゥ・エンドが重要
第一に,e-businessのインフラストラクチャは,「エンド・トゥ・エンド」であるべきだ。今まで,「エンド・トゥ・エンド・コンピューティング」というと,同一企業内で,一端にデスクトップ機器があり,他端にサーバーがあることを意味していた。
しかし,これからおとずれる次世代e-businessの世界では,「エンド・トゥ・エンド」の範囲が飛躍的に広がる。一方には,あらゆるサプライヤ,あらゆる販売・流通業者,規制当局(認可機関,税務当局)がある。これらはすべてファイアウオールの外側にある。他方では爆発的な勢いでネットワークに接続できる機器が普及していく。
2003年までにパソコンの出荷台数は7億台になろう。しかし,パソコンの台数は,他のネットワーク接続機器,例えばPDA(携帯情報端末),インターネット対応の携帯電話,ゲーム機に比べるとたいしたことはない。今後数年以内にネットワーク接続機器の台数は10億台になり,モバイル式の電子商取引は2003年までに1000億ドル規模の市場になるだろう。
いわゆる「パーベイシブ(浸透する)e-business」は以上のような新しい種類のエンド・ユーザー・アクセス機器の統合で終わるわけではない。さらに,1兆台以上のネットワーク型の「もの(things)」が登場する。コンピュータとしてはこれまで考えることのなかった「もの」である。これらは,多少のコンピュータ機能と,多少のストレージ機能を備える。
パーベイシブの世界は,すでに始まっている。ペースメーカーや自動車もインターネット・アドレスを持つようになる。これらすべてが私たちにとって,「エンド・トゥ・エンドのインフラストラクチャ」となる。
スタンダードの順守は必須
e-businessのインフラストラクチャで重要となる第2の点は「スタンダード(標準)」である。「エンド・トゥ・エンド」が真に意味することを理解すれば,標準に基づくコンピューティングの必要性はすぐにわかる。インフラストラクチャはオープンで,業界横断的な標準に基づくものでなければならない。これにより,あらゆる場所にいる数百万の人や,あらゆる位置にある数百万の企業と接続でき,あらゆる種類の何十億という機器を接続できる。
だからこそ,オープンな標準を巡る闘いは,闘う価値がある。それがIBMの将来の大きな部分をLinuxにかける理由である。インターネットがネットワーキングや通信に対して果たしてきた役割を,Linuxがビジネス・アプリケーションに対して果たすことができる,と私は確信している。
今後数年,Linuxの出荷の伸びは他のいかなるサーバーのOSをも上回ると予想されている。LinuxはWindows NTの2倍のペースで伸び,ある調査によれば,2004年までに普及率でもNTを上回る,という推計がある。
これはすべてのサーバー・メーカーにとって大問題である。今から3~4年後に独自のUNIXやOSを持つ企業が業界で意義ある位置を保っているかどうかを予想するのは面白い。まだ先のことであろうが,サン・マイクロシステムズ,EMC,マイクロソフトといった企業がプロプライエタリな製品を持つ最後の大手ベンダーとなる,と私は見ている。
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