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SCMパッケージソフト 開発勉強日記です。 SCM / MRP / 物流等々情報を集めていきます。
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電子タグで変わる世界 未来の買い物“普及元年”

 商品を入れた買い物かごをレジに置くだけで支払金額が瞬時にわかる。買いたい化粧品でメークした自分の顔をイメージ画像で確認したり、ワインと相性の良い料理のレシピも教えてくれる。1枚わずか数ミリの電子タグを利用することで、こんな「未来のショッピング」が実現する。

 コンビニやスーパー、百貨店などの6業界が実証実験を進めているもので、2007年は、電子タグの“普及元年”になりそうだ。

 東京都千代田区のビックカメラ有楽町店で13日、電機メーカー12社で組織する「家電電子タグコンソーシアム」による公開実験が開かれた。

 製品の保証書に大きさ4ミリの電子タグをはり付け、修理品の受付や引き渡しに活用しようというものだ。流通段階や商品販売時だけでなく、販売後も電子タグを利用する試みは、世界でも初めてという。

 電子タグに商品の型名や製造番号、販売日時などを記録。修理の受付時には、店員が店頭に置かれた読み取り機を電子タグにかざすだけで、商品の有効期限のほか、同じ型の製品の修理履歴や修理に必要な料金と日数、リコール(無償回収)対象に含まれるかも確認でき、受付業務が迅速に行える。

 お客からの問い合わせにも、電子タグの製造番号から現在の状況を確認し答えることができる。引き渡し時には、手持ち型の読み取り機で商品にはり付けてある保証書の電子タグから対象の商品を検索し、手違いがなく、効率的に引き渡せるなどのメリットがある。

 「物流段階で期待される電子タグの活用を一歩進めて、販売後に重点を置いた」。ビックカメラの中根貴志システム部企画グループ長は、実験の狙いをこう説明する。

 電子タグの新しい可能性を探る取り組みは、他の業界でも相次いでいる。

                   ◇

 ■消費者の利便性向上 コスト、技術標準化が課題

 電子タグを活用した6業界による実証実験は、経済産業省が2006年度予算で5億円を計上し、各業界に委託し実施しているものだ。同省では電子タグの普及を、「あらゆるモノや人がネットワークでつながるユビキタス社会の中核事業」(松井英生・商務流通審議官)と位置づけている。

 ≪「無人店舗」の夢も≫

 これまでの経産省の支援事業は技術開発が中心だったほか、民間レベルでの実験や導入例も、在庫や物流の管理など企業側の効率化を目的としたものにとどまっていた。今回の実証実験は、消費者へのサービスや利便性の向上へと一歩踏み出したのが特徴だ。

 今月8日、東京都豊島区のファミリーマート南池袋2丁目店で行われた「未来のコンビニ体験。」。

 店に並ぶおにぎりやお弁当、総菜など店頭に並ぶ約800の商品には、一個一個電子タグがはり付けられている。従来のバーコードは読み取り機を接触させる必要があったが、電子タグは無線で情報をやり取りするため、商品を入れたかごを、読み取り機を内蔵したレジ台に置くだけで、瞬時に合計金額が弾き出される。

 さらに、店内にデモ用に備え付けた読み取り機内蔵の携帯電話を電子タグにかざすと、商品の詳細な情報が携帯の画面に表示される。

 「携帯電話の電子マネー機能を組み合わせれば、携帯を商品にかざすだけで支払いが済む。レジも不要になる」

 高田基生ファミリーマート常務は、“未来形の活用方法”として、「無人店舗」へと夢を膨らませる。

 百貨店の三越では昨年、婦人靴の検品や在庫管理で実証実験を実施。業務の効率化に加え、販売動向の迅速な把握などにより、「売り上げが13%伸びた」(西田雅一・商品統括部ゼネラルマネジャー)。

 今月26日には、資生堂などと共同で化粧品の実証実験もスタートさせた。商品を店内に置かれたディスプレーにかざすと、成分など詳細な情報が表示されるほか、資生堂が開発した「仮想リアルタイムメイクアップシステム」では、その商品でメークした自分の顔のイメージ画像を瞬時に見ることもできる。

 このほか、店頭で試すことができる見本品にもタグをはり付け、お客が手にした回数などを把握し消費者の関心度などを分析。今後の販売戦略や商品開発にも生かしていこうという狙いもある。

 ≪効果は最大31兆円≫

 だが、実用化にはコストや安全性、技術の標準化など解決すべき課題は多い。

 最大の課題はコストだ。電子タグは現在、1個50円弱。量産化された場合でも10円台とされる。コンビニで販売されている低価格の商品すべてにはり付けると採算が取れなくなるため、ファミリーマートの高田常務は、「導入時期について、断定的なことは何一つ言えない」と、肩をすくめる。播磨眞一郎専務も、「5円以下になれば、バーコードのように普及する」と指摘する。

 「普及と低価格化は、ニワトリと卵のような関係」(メーカー幹部)との声もあるが、タグ以外にも、読み取り機などの初期投資も必要になる。

 技術の標準化も課題だ。実用化には読み取り機の統一が欠かせないが、一連の実験では使用する電波の周波数帯も統一されていないのが実情。

 家電電子タグコンソーシアムでは、「今年から物流企業を巻き込んで、技術のすりあわせを始める」(事務局)としており、統一を模索する動きも出ている。ただ、食品業界などからは、「業界団体が多数あるので、取りまとめは困難」(業界関係者)との声も聞こえる。

 また、電子タグの大容量化は、「両刃の剣となる」との指摘もある。購入日時などをタグに書き込むと、個人情報流出のリスクが高まる。ビックカメラでは、「情報を消す仕組みなどを考えている」(システム部)とするなど、各社とも対応を模索している状態だ。

 総務省が04年に発表した報告書によると、2010年の電子タグの経済波及効果は最大で31兆円、最小でも9兆円に上ると予測。2007年を「ブレークポイント」と位置づけており、一連の実証実験の成果が普及のスピードを左右することになりそうだ。(会田聡)

                   ◇

【用語解説】電子タグ

 バーコードの最大50倍程度の情報を書き込んだ微少な半導体チップ。外部アンテナを備え無線通信技術で情報を送信するため、非接触で検品などができ、商品管理などの効率化を促進する。現在でも建物の入退室管理に利用されているほか、大容量を生かして食品の生産地の確認や医薬品の識別で利用も期待されている。
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「DVDレコーダの出荷から修理まで」、ビックカメラがICタグの実験を公開

 ビックカメラは2月13日、メーカーの製品出荷時から、製品の販売、消費者の手に渡ったあとの修理業務までの一連の業務で、無線ICタグを利用する実証実験の模様を公開した。プラズマディスプレイやDVDレコーダの製品保証書にICタグを貼り付け、記録したデータをサプライチェーンの要所で読み取って、各業務を効率化する。同様の実験を、ヨドバシカメラとエディオンも実施した。

 実験は、大きく二つの観点で実施した。一つは、メーカーが製品を製造、出荷してから、家電量販店の店舗に納品されるまでの物流における、回収対象品の発見作業を効率化することである。まず、実験に参加した日立製作所が製品を出荷する際に、製品保証書にICタグを貼り付ける。ICタグには、製品型番、製造番号、個品ごとに異なるEPCコードを記録しておく。EPCコードはICタグ関連技術標準化団体EPCグローバルが規定したコードである。

 ICタグのデータは、日立の物流センター、ビックカメラの物流センター、店舗において、ハンディ型のリーダーで読み取る。どの製品をどの拠点で入出荷したかは、ICタグのデータを読んだタイミングで、ネットワーク上のデータベースに登録される。

 データベースにはあらかじめ、不具合などで回収の対象となっている製品の製造番号が登録されている。入出荷時に読み取った製品の製造番号が、回収対象のものと合致すれば、入出荷システム上でその製品だけを赤く表示する。これで、不具合のある製品を見落として出荷してしまうことは少なくなる。

 メーカーは回収品を探す場合、商品のこん包をあけて製造番号を確かめる作業に、担当者数人がかりで何時間もの時間を取られていた。「回収対象製品がどこまで流通しているのかを把握することさえ難しく、FAXを使って回収品の製品番号リストを流すこともあった」(日立)。製品の回収は、多い時では月に数回発生することがあるという。

 二つ目の観点は、製品修理業務の効率化である。ビックカメラの店舗で、顧客が持ち込んだ製品の修理を受け付ける際に、保証書に貼ったICタグのデータを読み取る(写真1)。すると、製品の型番や、販売時に記録した販売日などが、修理受け付けシステムに自動的に登録される。ビックカメラのポイント・カードを持っている顧客であれば、それを利用することで、住所や氏名なども自動登録される(写真2)。これまでは紙の伝票で管理していた。

 これらの修理情報も、ネットワーク上のデータベースに登録される。「同じ型番の製品の修理履歴を参考にすれば、修理完了までどのくらいかかるかを、顧客に伝えられる。今は受付担当者の経験を踏まえた推測でしか答えられないのが現状だ」(ビックカメラ)。顧客自身が、Webサイトにアクセスし、自分が修理に出した製品が、まだ家電量販店にあるのか、修理業者が作業中なのかを確認するシステムも構築した。この仕組みには、EPCグローバルが取り決めたデータ共有の仕組み「EPCIS」を利用している。

 実験は、経済産業省が実施している「電子タグを利用した流通・物流の効率化実証実験事業」の一つ。みずほ情報総研が事務局を務め、主立った家電メーカーが加入する家電電子タグコンソーシアムが主導した。システム構築などを手掛けたのは、日立、NTTコムウェア、デンソーウェーブ、東芝テック。1月15日から2月8日まで、ビックカメラの有楽町本館や、日立の配送センターなどで実施した。
IT部門は今こそ“カイゼン”の先導役となれ

CIO Profile
木内里美(きうち さとみ)氏
中央大学理工学部卒業後、1969年に大成建設に入社。本社土木情報技術部長、本社社長室情報企画部長などを歴任。2005年に、社長室理事情報企画部長兼大成情報システム代表取締役社長に就任した。文部科学省「先導的情報通信人材育成推進委員会」の委員や、社団法人日本土木工業協会CALS/ECの部会長なども務める。
公共事業の削減などにより、市場規模の縮小という厳しい現実に直面している建設業界。その建設業界をリードするゼネコン各社にとって、目下の最重要課題は業務の無駄を排除してコスト構造を変革させることである。支出額が大きいIT部門も、もちろんその“重要課題”の対象だ。そうしたなか、大手ゼネコンの1社である大成建設では、IT部門が自ら支出の削減を図りながら、率先して業務プロセスの“カイゼン”に取り組んでいる。その同社が描く、これからの建設業にとってのIT部門の役割とはどのようなものなのであろうか。同社の理事で情報企画部長を務める木内里美氏に聞いた。

CIO Magazine編集部 ● 聞き手/文 interview & text by CIO Magazine

厳しいコスト・プレッシャーの中で
大成建設社長室情報企画部で理事兼情報企画部長を務める木内里美氏。氏は、「IT部門というのは会社のすべての業務を総覧できる立場にある部署。そのため、業務プロセスに潜む問題を改善するための提案もいちばん出しやすい部署だ」と強調する photo by Keiji Kaneda
──“ゼネコン不況”が言われるなか、建設業界は厳しい状況にあるようですが。

 そうですね。確かに数年前から我々建設業界は厳しい局面に立たされています。実は、日本の建設投資が最高額に達したのは、バブル経済が崩壊した直後の1992年でした。危機感を持った政府が積極的に公共投資を行ったこともあり、市場規模は84兆円弱にまで膨らんだのです。それが現在は50数兆円へと落ち込んでいます。また、低価格入札問題(ダンピング)の影響による収益構造の悪化にも見舞われています。

──そうした中にあっては、ITコストもやはり厳しく評価されるのでしょうか。

 はい。当社でもここ数年、ITコストの縮小は大きなテーマになっていました。そのニーズが特に高まったのが2000年ごろです。当時、当社の売上高に占めるITコストの比率は0.78%でした。他の業界の方から見ればつつましい数字に思われるかもしれませんが、同業他社の平均が0.4%とされていたため、社内からコストをかけすぎではないかと厳しく指摘されたのです。そこで「IT支出を2005年までに30%削減せよ」という指令が下されることになりました。

──30%カットとは、ずいぶん厳しい目標ですね。

 ええ。コスト構造を抜本的に見直さなければ達成できるものではありません。私は当時、土木設計部におり、部門内や現場の作業所のLAN構築などには携わっていましたが、ITの専門家というわけではありませんでした。それで、「IT部門も大変だな」と思っていたら、なんと自分が担当することになってしまったわけです(笑)。

 そこで私が考えたのが、すべてのシステムを再構築するというプランです。そのプランの下、メインフレームを撤廃し、それと同時に開発や運用管理業務のアウトソーシングも進めました。また、PCなどの機器調達プロセスも見直しました。このプロジェクトは2001年に始まりましたが、ITスタッフの努力もあって、2005年には目標の「30%カット」を達成することができました。

削れないコストなど存在しない
「建設業界とIT(ソフトウェア)業界は多重階層型、労働集約型であるという点では似ているが、確立された構築手法、品質や納期に関する姿勢には大きな違いがある」と主張する、大成建設の木内氏 photo by Keiji Kaneda
──ITコストを削減しようとすれば、ベンダーとのハードな交渉も避けて通れませんね。

 私がコスト削減プロジェクトを通じて学んだのは、「絶対に動かせないコストは、ソフトウェアの償却費だけだ」ということです。

 例えば、年間で請求されるパッケージ・ソフトウェアの保守料などは、そもそも金額の根拠がはっきりしていませんから、交渉次第で削減することも可能です。また、うっかりしていると、後付けで開発したアドオン・プログラムについても、製品と同じ比率で保守料を請求されているケースがあります。そうした不条理を指摘すれば、ベンダー側も理解してくれるものなのです。

 また、調達をできるだけ一括して行うために、当社では、IT部門内に調達の専門チームを組織し、ベンダーの評価を行ったり、ボリューム・メリットを出したりする体制を整えています。

──しかし、値引きを迫るばかりでは、ベンダーとの関係がぎくしゃくしてしまうおそれもありますね。

 もちろんそうです。ITコストの削減は、結局はITベンダーとの良好な関係なくしては実現することができません。そのため、当社では、ベンダーとの間に長期的な関係を築くことに重きを置いています。

 例えば、アプリケーション開発などにおいては、SLCP(Software Lifecycle Process)に沿った契約を提唱しています。SLCPというのは、アプリケーション開発においてシステムの発注側(ユーザー)と受注側(ベンダー)の間で、お互いの役割や業務範囲、契約上の責任などを明確化するためのガイドラインのことです。ユーザーとベンダーとで共通のよりどころを作れば、開発の効率は大いに高まるとともに、効率的にコストを下げることができるようになります。

 単に値引きを迫るだけでなく、ITプロジェクト自体を効率的に回していくようにする努力も怠るべきではないと考えています。

──木内さんは、以前から「建設業界とIT業界には似ているところがある」とおっしゃっておられますね。

 はい。建設業者は、現在国内で約54万社あると言われており、プライム・コントラクターの下にセカンド・コントラクターがいて、その下に幾重にも下請け会社が連なっているという階層構造を形成しています。また、業務が労働集約型であるという特徴もあります。こうした点を見れば、現状のIT(ソフトウェア)産業と似ていると言えるでしょう。

 ただ、当然ながら違うところもあります。建設業界では、モノをつくるうえできちんとした手法(建築手法)が確立されていますし、資格制度によってそれに携わる人のスキルも規定されています。もちろん、法体系もしっかり整備されています。つまり、こうした構造によって成果物の品質が保証されているわけです。現に、建設業界では、「品質」と「納期」は何よりも優先されることになっており、これを守るためにはコスト効率を度外視することさえあります。

 そういった点で、現在のIT産業には不満を覚えるところも少なくありません。現状のITプロジェクトでは、だれもがシステムの構築に携われますが、それでいてだれも品質を保証してはくれませんから。

 もっとも、我々の業界もマンションの耐震強度偽装事件によって、消費者からの信頼を大きく損なうことになりました。その意味では、IT業界ばかりを責めるわけにもいきませんが……。

IT部門主導の“カイゼン”活動
──御社のIT部門は現在、どのような組織体制になっているのですか。

 当社のIT部門である情報企画部は、社長直属の組織である社長室の中の1部門として位置づけられています。社長室にはIT部門のほか組織を横断的に見る経営企画部や監査部があります。

 こうした組織構造だからこそかもしれませんが、IT施策に関する課題やその解決方法については社長と直接話す機会が多いですね。また、経営企画部とも距離が近いので、経営と密接につながったITプロジェクトを立ち上げる際にも有利です。そうした意味では、私は他社のCIOと比べると恵まれたポジションにいるのかもしれません。ITプロジェクトを進めていくうえでは、社長の理解や経営企画部の協力がどうしても欠かせませんから。

──ITスタッフには、どのような役割を期待されていますか。

 IT部門とは本来、会社のすべての業務を総覧できる立場にある部署であるというのが私の考えです。さまざまな部門の業務を横断的に見ていれば、我が社のどこに強みがあるのか、どの業務に問題が潜んでいるのかといったことがおのずと把握しやすくなります。つまり、業務プロセスを“カイゼン”するための提案を最も出しやすいのが、実はIT部門なのです。

 そうした意味で、これからのITスタッフには、現場の業務を改革していく際に主導的な役割を果たしてくれることを期待しています。

 例えば、現在、当社のIT部門では建築・土木部門のスタッフと一緒に「改善あるある体験隊」というチームを立ち上げ、現場の業務に改善すべき点がないかどうか探すという活動を進めています。自分たちの業務プロセスのボトルネックがどこにあるかは、日々の業務に追われている現場ではなかなか把握しにくいものなのです。

──業務のプロである現場スタッフに向かって改善点を指摘するとなると、敷居が高いようにも感じますが。

 確かに、現場には“変化”を嫌う向きも少なからずいます。しかも、部門横断型のカイゼンを進めるとなれば、その利害調整にはかなり苦労することになります。しかし、現場からやや距離を置いたIT部門だからこそ、改革をリードすることができるという面もあるのです。

 それに、新しいことを始めようとする際には“ブーイング”は付き物ですし、そうした不満の声の多くは、新しいプロセスに慣れ、数カ月もすれば収まるものです。

 「CIOは常に改革のリーダーであるべき」というのが私の持論ですが、それを実践するためには何よりもまず身内、つまりIT部門の意識を変える必要があると思っています。彼らが改革に足を踏み出してくれないことには、CIOがそのリーダーを務めることは不可能なのですから。

──今後、カイゼンの余地があると考えられる業務には、具体的にどのようなものがあるのでしょう。

 例えば、生産管理の仕組みなどには、大いにその余地が残されていると思っています。建設業界では、まだサプライチェーンという概念が十分に定着していません。つまり、多くの会社は、人を含めて、いつ、どこに、どれだけ、何が必要なのかということを動的に把握することが難しい状況に置かれているのです。

 そうした中にあって、多数の作業が複雑に入り組んだ工程を計画・管理しようとすると、作業相互の依存関係を把握しづらく、管理の重点ポイントがどこにあるのかをつかむことが困難です。建設会社は在庫は持ちませんので、リソースの手配業務が肝になりますが、ITを使うことでこうした手配をより効率的に行えるのではないかと考えています。

システム子会社を“一体運営”
──御社では2005年から、システム子会社を社内のIT部門と“一体運営”するというかたちに切り替えましたね。これも、IT部門改革の一環なのでしょうか。

 そう言えるかもしれませんね。2005年4月から、システム子会社のほとんどのスタッフを親会社に“出向”させるというかたちをとり、社内のITスタッフと同じように働いてもらっています。それに伴い、それまで行っていた外販事業もやめました。これは、彼らの力を大成建設グループの業務改革のためにフル活用したいという思いに基づいた取り組みです。

──御社の場合、子会社を親会社から独立して運営することの問題はどこにあったのでしょう。

 そもそも、当社のシステム子会社は、大成建設グループのIT施策を支援するための“機能子会社”という位置づけにありました。しかし、独立採算制にしたことで利益を重視するようになり、親会社との取り引きでも“もうけ”を得ようとするところがありました。

 また、我々親会社の人間からすると、そのコスト構造も非常に見えにくくなってしまっていました。であるならば、経営の負担をできるだけ取り除き、グループへの支援という“本分”に集中させるようにしたほうがよいと判断したのです。

──その結果、どのような効果が得られたのでしょうか。

 親会社のIT部門とシステム子会社が同じ目標を見られるようになったということが大きいですね。例えば、従来は、子会社の人間はあくまでも開発を中心にITを見ていました。そのほうが自分たちのもうけにつながるからです。しかし、現在では開発の後の運用、管理といった面を重視してくれるようになりました。

 そのように意識が少し変わるだけで、コストの無駄はかなり減らせるものなのです。

他業種にも目を向ける
──木内さんは日ごろから、他の業界のIT動向にも着目しておられるようですね。

 ええ。現在は特に、医療分野に注目しています。当社は建築、土木を生業としていますが、これからは建物をつくるだけが仕事ではなくなると考えています。

 例えば、最近では、建物にソフトウェアを組み込み、管理性を高めるといった、ファシリティ・マネジメントの概念も普及しています。

 今後は、そうした付加価値をつけるために、ITを利用していくことも求められるようになるでしょう。

 その意味で、CIOとしては、さまざまな業種のシステムに興味を持っていますし、よい取り組みがあれば、自社のビジネスにもどんどん取り入れていきたいと考えています。

──現在、ITスタッフの教育に悩んでいるCIOは少なくありません。それに関しても、御社ではユニークな取り組みをなさっておられるようですね。

 かつて、ITプロジェクトのすべてを外注していたために、IT部門のスタッフが単なる“手配師”になってしまっていたということがありました。

 そこで現在、私はIT部門スタッフのトレーニングのために、「自ら汗をかいてシステムをつくる」ことを推奨しています。

 現在は、IT部門内で使うための情報共有システムを再構築している最中ですが、そこでは、オープンソース・ソフトウェアを使い、スタッフ自らに要求定義からコーディング、テスティングといったシステム開発に必要なすべてのプロセスを担当させています。実際に作業をさせてみると、自分たちの問題点が見えてきますし、その経験をユーザー部門とのプロジェクトに役立てることもできます。

 今、IT部門のスタッフには、「自分たちの力で切り開く」という強い気持ちが求められているような気がしています。
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