SCMパッケージソフト 開発勉強日記です。
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経済産業省/EPCglobalと国際物流のRFID国際標準化実証実験
経済産業省は、電子タグの国際標準化機関(EPCglobal)と共同して、国際物流において幅広い活用が期待されているアクティブタグ(読取距離の長い電池付きの電子タグ)を標準化し、導入効果や課題の検証を目的とした実証事業を実施する。
国際物流で活用される電子タグの国際標準化を目的とし、国際標準化機関(EPCglobal)で検討中のアクティブタグに求められるビジネス要件について、香港-日本間の実際の海上輸送の環境下で実証実験を行い、導入効果や課題を明らかにするもの。
具体的には、日米を代表するメーカーの提供する2種類のアクティブタグをコンテナに貼り付け、性能検証を行い、ビジネス要件を満たしているかを検証する。
さらに、香港と日本のIT企業がそれぞれ開発したネットワークシステム(EPCIS)を相互に接続し、電子タグから読み取った物流情報を国境を越えて関係者間でリアルタイムに共有し、その効果や有効性を検証する。
なお、今回の事業の成果を元に、国際物流における電子タグ国際標準化の検討を加速させ、日本企業の技術やビジネスモデルを国際標準に反映させることで、電子タグの国際標準化における日本の存在感が増すことを期待している。
主要参加者
輸出者:リーボックインターナショナル
輸入者:リーボックジャパン
国際物流業者:DHL、マースクロジスティクス、日本郵船、シュナイダー、シェンカー
ITベンダ:MTI、野村総合研究所等
システム構築:NTTコムウェア、IIJ、日本オラクル、日本ベリサイン、凸版印刷、トッパンフォームズ等
問い合わせ
経済産業省
商務流通G流通・物流政策室
担当:浜辺、富田
電話:03-3501-0092(直通)
経済産業省は、電子タグの国際標準化機関(EPCglobal)と共同して、国際物流において幅広い活用が期待されているアクティブタグ(読取距離の長い電池付きの電子タグ)を標準化し、導入効果や課題の検証を目的とした実証事業を実施する。
国際物流で活用される電子タグの国際標準化を目的とし、国際標準化機関(EPCglobal)で検討中のアクティブタグに求められるビジネス要件について、香港-日本間の実際の海上輸送の環境下で実証実験を行い、導入効果や課題を明らかにするもの。
具体的には、日米を代表するメーカーの提供する2種類のアクティブタグをコンテナに貼り付け、性能検証を行い、ビジネス要件を満たしているかを検証する。
さらに、香港と日本のIT企業がそれぞれ開発したネットワークシステム(EPCIS)を相互に接続し、電子タグから読み取った物流情報を国境を越えて関係者間でリアルタイムに共有し、その効果や有効性を検証する。
なお、今回の事業の成果を元に、国際物流における電子タグ国際標準化の検討を加速させ、日本企業の技術やビジネスモデルを国際標準に反映させることで、電子タグの国際標準化における日本の存在感が増すことを期待している。
主要参加者
輸出者:リーボックインターナショナル
輸入者:リーボックジャパン
国際物流業者:DHL、マースクロジスティクス、日本郵船、シュナイダー、シェンカー
ITベンダ:MTI、野村総合研究所等
システム構築:NTTコムウェア、IIJ、日本オラクル、日本ベリサイン、凸版印刷、トッパンフォームズ等
問い合わせ
経済産業省
商務流通G流通・物流政策室
担当:浜辺、富田
電話:03-3501-0092(直通)
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機会損失を減らして売り上げ増を目指す
RFIDを使った家電のライフサイクル管理を実証実験
2007/02/13
ヤマダ電機やビックカメラなどの量販店において、RFIDタグの利活用を模索する実証実験が実施された。この実験では、メーカー(セットメーカー)から消費者までの流通経路(動脈流)だけでなく、保守や修理など製品が消費者の手に渡った後の“静脈流”をも含んだ製品ライフサイクル全体を対象としているのが特徴だ。
実験は、ソニーや東芝、日立製作所、松下電器産業といった大手家電メーカーなど13社が参加している「家電電子タグコンソーシアム」が中心となって、店舗内の在庫ロケーション管理と保守・修理の2つの領域で実施された。なお、利用されたRFIDシステムはEPCglobal仕様にのっとって構築されている。
ヤマダ電機(テックランド新座店)の店頭およびバックヤードで実施された公開実験では、炊飯ジャー約60種、DVDプレーヤー約50種、iPod約15種(関連アクセサリーを含む)の計3000アイテムを対象に、JANコードをベースにした識別番号「SGTIN」を割り振り、入荷検品から店頭でのリアルタイム在庫確認を行った。
iPodの店頭モックに13.56MHz帯RFIDタグを付けてあるので、RFIDリーダにかざすだけで、自動的に在庫を確認して「お持ち帰りカード」を発行する
炊飯ジャーとDVDプレーヤーにはUHF帯のRFIDタグを採用し、商品の外箱に貼付した。iPodについては、13.56MHz帯RFIDタグが付けられた店頭モックおよび専用ICカードをRFIDリーダにかざすことで、自動的に在庫を確認し「お持ち帰りカード」を発行する仕組みを展開した。
搬入された商品はゲート通過時にまとめてリーダに読み込まれるので、到着したばかりの商品を販売することも可能だ
ヤマダ電機の実験の狙いは、「売れるものをお客さまの目の前に!」を目標とした品出しの徹底と、在庫をバックヤードに確認しにいく時間を省略してストレスを与えない顧客満足度の向上だ。公開実験中、店頭では欠品になっていた炊飯ジャーの在庫を店員がPDAで確認して、ちょうど搬入口に到着したばかりの商品を販売することに成功したという。
一方、ビックカメラ(有楽町店)での公開実験では、保証書の裏面にRFIDタグを貼付し、製品販売後の修理対応に利用するものだ。製品が消費者の手に渡った後の保守・点検作業といった、いわゆる静脈流でのRFID利用は世界的にも珍しい取り組みである。なお、実験そのものは、ビックカメラ以外のヨドバシカメラ、エディオンでも実施された。
ビックカメラはEPC ISで管理しているため、修理受付時にRFIDタグを読み取ることで、ユーザー名や販売日などを即時照会できる
ビックカメラの実験では、プラズマディスプレイ10点、DVDレコーダ100点および交換部品として内蔵型ハードディスク20点を対象として、RFIDタグに日立製作所のμ-Chip Hibiki(UHF帯)を採用した。
製品の販売データなどは、EPC IS(EPC関連情報サービス)で管理されているため、修理受付時にRFIDタグを読み取ることで、ユーザー名や販売日などが即時照会できる。また、修理が終わった製品を受け渡すときにも、ハンディ型リーダでRFIDタグを読み取ることで、すばやく該当製品を見つけ出せる。
RFIDを読み取ると、このようなユーザーステータスが表示される
一方、ユーザーが電話で修理状況を問い合わせた場合には、該当製品がどのステータスにあるのかをリアルタイムに報告できる(インターネットを使ってユーザー自身が照会することも可能)。
このように、静脈流でのRFID利用によって、受付業務の効率化やリードタイムが短縮できるほか、顧客満足度の向上が期待されている。RFIDタグを使って個品レベルでの管理が可能になることで、不具合品の流通過程での回収などにも威力を発揮するとのことだ。
RFIDを使った家電のライフサイクル管理を実証実験
2007/02/13
ヤマダ電機やビックカメラなどの量販店において、RFIDタグの利活用を模索する実証実験が実施された。この実験では、メーカー(セットメーカー)から消費者までの流通経路(動脈流)だけでなく、保守や修理など製品が消費者の手に渡った後の“静脈流”をも含んだ製品ライフサイクル全体を対象としているのが特徴だ。
実験は、ソニーや東芝、日立製作所、松下電器産業といった大手家電メーカーなど13社が参加している「家電電子タグコンソーシアム」が中心となって、店舗内の在庫ロケーション管理と保守・修理の2つの領域で実施された。なお、利用されたRFIDシステムはEPCglobal仕様にのっとって構築されている。
ヤマダ電機(テックランド新座店)の店頭およびバックヤードで実施された公開実験では、炊飯ジャー約60種、DVDプレーヤー約50種、iPod約15種(関連アクセサリーを含む)の計3000アイテムを対象に、JANコードをベースにした識別番号「SGTIN」を割り振り、入荷検品から店頭でのリアルタイム在庫確認を行った。
iPodの店頭モックに13.56MHz帯RFIDタグを付けてあるので、RFIDリーダにかざすだけで、自動的に在庫を確認して「お持ち帰りカード」を発行する
炊飯ジャーとDVDプレーヤーにはUHF帯のRFIDタグを採用し、商品の外箱に貼付した。iPodについては、13.56MHz帯RFIDタグが付けられた店頭モックおよび専用ICカードをRFIDリーダにかざすことで、自動的に在庫を確認し「お持ち帰りカード」を発行する仕組みを展開した。
搬入された商品はゲート通過時にまとめてリーダに読み込まれるので、到着したばかりの商品を販売することも可能だ
ヤマダ電機の実験の狙いは、「売れるものをお客さまの目の前に!」を目標とした品出しの徹底と、在庫をバックヤードに確認しにいく時間を省略してストレスを与えない顧客満足度の向上だ。公開実験中、店頭では欠品になっていた炊飯ジャーの在庫を店員がPDAで確認して、ちょうど搬入口に到着したばかりの商品を販売することに成功したという。
一方、ビックカメラ(有楽町店)での公開実験では、保証書の裏面にRFIDタグを貼付し、製品販売後の修理対応に利用するものだ。製品が消費者の手に渡った後の保守・点検作業といった、いわゆる静脈流でのRFID利用は世界的にも珍しい取り組みである。なお、実験そのものは、ビックカメラ以外のヨドバシカメラ、エディオンでも実施された。
ビックカメラはEPC ISで管理しているため、修理受付時にRFIDタグを読み取ることで、ユーザー名や販売日などを即時照会できる
ビックカメラの実験では、プラズマディスプレイ10点、DVDレコーダ100点および交換部品として内蔵型ハードディスク20点を対象として、RFIDタグに日立製作所のμ-Chip Hibiki(UHF帯)を採用した。
製品の販売データなどは、EPC IS(EPC関連情報サービス)で管理されているため、修理受付時にRFIDタグを読み取ることで、ユーザー名や販売日などが即時照会できる。また、修理が終わった製品を受け渡すときにも、ハンディ型リーダでRFIDタグを読み取ることで、すばやく該当製品を見つけ出せる。
RFIDを読み取ると、このようなユーザーステータスが表示される
一方、ユーザーが電話で修理状況を問い合わせた場合には、該当製品がどのステータスにあるのかをリアルタイムに報告できる(インターネットを使ってユーザー自身が照会することも可能)。
このように、静脈流でのRFID利用によって、受付業務の効率化やリードタイムが短縮できるほか、顧客満足度の向上が期待されている。RFIDタグを使って個品レベルでの管理が可能になることで、不具合品の流通過程での回収などにも威力を発揮するとのことだ。
RFID2.0に向けたプラットフォームを提唱する
NTTデータ
NTTデータは、2003年にマルエツと協力して食品流通分野における実証実験を実施するなど、早い時期からRFID関連事業に力を入れている。いわゆるメーカーではなくソフトウェア開発やシステムインテグレーションを本業とすることから、オープン化や共通プラットフォーム技術などにフォーカスして開発や検証を進めているのが特徴だ。
現在はエバンジェリストとしての活動がメインであるという、ビジネスイノベーション本部ビジネス推進部課長の河西謙治氏に、最近の動向や今後の展開について伺った
強みを生かせるのは共通化のための技術開発
――この分野に携わるようになったきっかけは
河西謙治 ビジネスイノベーション本部 ビジネス推進部 課長
河西 2003年ごろに事業戦略部という部署にいました。そこは、既存組織の選択と集中の判断と、新規ビジネスの創出をミッションとしていました。
私は新規ビジネスの方を主に担当していました。当時は、ライフサイエンスとかグリッドコンピューティングなど8つのテーマが挙がっていましたが、私はその中でユビキタスコンピューティングを担当しました。
ユビキタスコンピューティングといってしまうと、おサイフケータイといった身近なものからITS(高度道路交通システム)といった社会インフラのようなものまで、ものすごく概念が広くなってしまいます。
当時のNTTデータの中で、未着手で、かつ将来性のあるユビキタスに属するテーマとは何かと模索していたときに、かねてから社内に蓄積されていた接触型・非接触型ICカード技術や、総務省による実証実験やユビキタスIDセンターへの参画など、すでに社内で取り組みが始まっていたRFIDに着目しました。
一方で、その当時はいろいろな組織が別のベクトルを向いていて、統一的な方向性が欠けていました。そこで、2004年度に事業戦略部の中にユビキタス推進室を作り、NTTデータとしてのビジネスの方向付けするとともに、ある程度の予算を持って、既存のビジネスユニットのビジネス収支に影響を与えないように切り離す形で、効果の高い実証実験や技術開発に積極的に参画してもらい、技術や業務ノウハウの蓄積を推進することを目指しました。
少人数で全社の司令塔的な役割をミッションとしていたユビキタス推進室は、2006年度の初めにリアルな組織としてはいったん役割を終えたと位置付けました。それは、当初の目論みどおり、実証実験や商用システム開発を通じた多くのノウハウが各ビジネスユニットに蓄積され、各ビジネスユニットが自律的に対応すべきフェーズにきたと判断したからです。現在の私は、兼務という形で、このインタビューのような対外的な情報発信と、標準化団体などへの参画を通じた情報収集を社内にフィードバックする、といったミッションになっています。
――NTTデータが注力している事業分野は
河西 ユビキタス推進室が発足したときに、NTTデータの全社戦略として2004年12月6日にプレスリリースしたのが図1です。全体を、重点分野別のソリューション、ソリューションを支える共通基盤、セキュアなネットワークの3つのレイヤーに分け、関連する各組織がその取り組みの中で個々の箱を埋めていき、最終的にはソリューション体系として完成されます。現在進行形の取り組みです。
NTTデータが目指すユビキタスの形(画像をクリックすると拡大します)
背景がブルーの部分は、共通機能としてのプラットフォームもしくはミドルウェアになります。どんなソリューションを提供するにしてもRFIDタグやセンサー、リーダ/ライタの端末管理、セキュリティ管理、ユーザー管理などは共通的な機能として必要となります。ソリューション側のアプリケーションを開発する際に、このような共通機能を切り出しミドルウェア化することにより、システム開発の効率化と短期化を企図しました。
オレンジの部分は、NTTデータがRFID利用の当面の主領域になるだろうと予測し、ソリューション提供を優先すると位置付けた分野群です。現在は、生産、物流、流通、資産管理、セキュリティといったところが中心となっています。
NTTデータはハードやデバイスを直接開発していませんし、それらをトライアルで使えるような生産ラインや物流倉庫といったフィールドも自社では持っていません。そこで、先導的な実証実験に参画させていただくという形でノウハウを蓄積しつつ、個別のシステム開発の練度を上げてきました。
現在の当社の取り組みの特色としては、1つ目が「eコラボレーション」の実現に向けたものです。企業間で異なるベンダのミドルウェアやプラットフォームを使っていて、さらに異なるID体系であっても、連携して情報を共有するためプラットフォームの開発を行っています。
2つ目は、コンテクスト・アウェアネスです。RFIDタグやセンサーが収集した情報に加えて、ロケーションやタイムスタンプなどの外部環境情報を総合的に判断して、何がどのような状況に変化していて、次にどのようなアクションを起こすのかを導き出すことを指します。
例えば、スーパーマーケットでタグ付きのパスタをリーダ付きのカートに入れると、まだカートに入っていない、パスタに合う食材やワインのリコメンドとクーポン券を出すといった、RFIDリーダとタグを組み合わせてお客さんの行動を把握し、そこからフィードバックするというサービスが提供できるのではないかと考えています。
コスト削減から新しい付加価値へのシフトが必要
――RFIDの利用周波数帯や標準化など、最近の技術的な動向について
河西 当社は自らチップやデバイスを作っているのではないので、利用周波数帯や標準についてはあくまでも利用する側の立場で、個別の案件ごとに「どれが向いているか」を選択しています。そのため、ユーザー目線で最新動向を追いかけています。
一方、ソリューション提供者の立場として着目している技術動向としては、RFIDのハイブリッド化や複数の取り組みがなされている相互運用接続といった分野です。具体的には、RFIDタグと各種センサーを組み合わせた製品とか、ユビキタスIDとEPCといったコード体系をまたがる相互接続や情報の翻訳、インターフェイスの構築に関する実証実験などです。
私の立場はNTTデータの中でも特殊だとお断りしておきますが、個人的な興味は、1~2年のスパンでビジネスとして刈り取れるものよりも、将来的にNTTデータとして利を生かせるような技術動向に意図的にシフトしています。
当社も参画した温度センサー付きRFIDタグを活用した生酒の実証実験でも、きちんと温度管理した商品を配送できることが物流業者の付加価値となるのはもちろんですが、店頭でも消費者に商品情報を提供して購買行動に結び付けられるかどうかまで視野に入れていました。繰り返しになりますが、こういったRFID+コンテクスト・アウェアネスやeコラボレーションのもたらす付加価値を、今後当社として差別化の源泉としていきたいと考えています。
【関連記事】
RFIDのハイブリッド化がもたらすブレイクスルー
RFIDを使うことによって新たなサービスが生まれる
――RFIDが普及するために必要なものは何でしょうか
河西 いろいろな方が、ROI(投資対効果)を出すことが重要といわれています。これは「もっとハードウェアの単価が下がったらROIが出るのに」という意味合いももちろんありますが、それよりもRFID利用ならではの付加価値によってROIが出る形にならなければいけないということをみなさんいわれていると思います。
工場における生産管理などでリライタブルシート型RFIDタグが活用され始めました。RFIDにより、読み取り時間が短縮された分の人件費が削減されるというのが一番の効果ですが、これに加えて、工場という環境では紙の指示書だと汚れたり破れたりすることがあります。
また、使い終わった指示書も廃棄しますが、これが非常に大量になります。セキュリティの観点からも廃棄コストは高くなってきていますし、最近では資源保護の観点からも使い捨ては好ましくないと考えられています。リライタブルシートをリサイクルして使うことによって、これらが解決できるという形でのROIへの貢献もあるなど、考える視点を広くすることは重要です。
もう1つ、海外旅行の手荷物に付けるタグの例を挙げます。最近では、事前に機内預け荷物を自宅から宅配業者に預けてしまって、手ぶらで旅行に行けるサービスがあります。ところが、そのオペレーションをのぞいてみると、宅配業者、空港宅配業者、航空会社は別のコード体系で荷物を管理しているため、空港では、荷物の伝票から氏名や搭乗便名を目視で読み取り、チェックインシステムに手作業で入力する作業が発生しています。
航空会社にとっては、この作業が負担となってサービス拡大のボトルネックの1つになっています。旅行者にとっても、荷物が航空会社に受け取られるまでは、荷物の情報と飛行機の情報をそれぞれの会社の情報提供サービスに問い合わせなければならないという面倒があります。
2007年2月1日に発表した「IDコマース基盤」の実証実験ではバーコードを使用していますが、将来、荷物に付けるタグをRFIDにしてしまって、それぞれの業者で使っているコード体系を共通の基盤で運用できるように連携させてしまえば、コストの削減とともに、ユーザーの利便性を高める新たなサービスの拡充や一層の効率化を実現できるようになると考えています。
こういった、複合的な効果を積み重ねることがROIを高め、それがRFIDの普及を促進することにつながると思います。
JALの協力を得て、機内預け荷物のIDを複数企業間で連携させる実験を実施している(この実験ではバーコードを利用)
静かにフェーズが変わってきている
――RFIDの普及は、どの程度進んでいるのですか
河西 4年前に推進室を立ち上げたときに考えたロードマップと比較すると、やはり思った以上に普及に時間がかかっていると思います。それは当時出されたほかの市場規模予測を見ても同じでしょう。コストが高いとかROIが期待されたほど出ないといった問題もありますし、技術がまだ“枯れていない”ので、使われる方がちゅうちょしている面も当然あります。
ただし、これをもって将来性がないと見るのは早計で、外部発表されていなくてもすでにRFIDを導入している企業も多いと思います。静かに深く進んでいるという状況ではないでしょうか。
それと、ちょっと違った視点で見てみると、例えばバーコードも電子マネーも、最初の実証実験から本格的な普及までには10年かそれ以上の時間がかかっています。RFIDが社会インフラとしてそれなりに普及するには、やはり同じようにそのくらいの時間の積み重ねは必要なのだと思います。
今まさに迎えているキャズム(深い溝)を越えていくには、付加価値型の使い方をどんどん提案していって、単純なコスト削減とは違う意味合いで使えるということを示していかないとだめです。それが遅れれば遅れるほど、当初思い描いていた将来像からは離れていってしまう危惧もあります。
――NTTデータが提唱する「RFID2.0」とは何でしょうか
河西 NTTデータとしては、RFIDがクローズドかつ局所的な使われ方から、より社会インフラとして広く深く使われるようなパラダイムの変化を起こさなければならないという思い入れがあります。それを比喩として分かりやすくイメージして貰うためにWeb2.0になぞらえて、RFID2.0というキーワードを出しました。
ただ、あっという間に「○○2.0」とネーミングするのがダサい行為の代名詞になってしまって、一般の方のブログでもそのように厳しく指摘されたりして落ち込んでいましたが、日本HPさんや日本BEAさんでもRFID2.0という表現を使われ始めているようなので、少し安心してそのまま使っています(笑)。
RFID1.0と2.0の違いは、使われ方のパラダイムが変わるということだと考えてください。単なるスラップ&シップであったり、クローズドな環境だけで使われていたりしたものが、共通プラットフォームやディスカバリーサービスを介すことによって相互に情報を共有できるようになる。
つまり、“点”で集めていた情報を“線”や“面”に展開することで、企業規模にかかわらずRFIDタグが取得した個別のデータや、それを蓄積したデータベースを通じた「集合値の利用」ができるようになると考えています。これが「eコラボレーション」です。
また、「ハイブリッド化」も切り口になると思います。パッシブタグとアクティブタグ、温度や湿度、傾きといった各種センサーの組み合わせによって、動的に変化する情報の取得が可能になります。既存のデータとこれらの情報をマッシュアップして活用するのが、先ほど説明したコンテクスト・アウェアネスです。
ちょっとこじつけっぽいのは重々承知ですが、パラダイムが変わることを示すためのバズワードですかね。
――RFIDはいつごろブレークするのでしょう
河西 ブレークという言葉が何を意味するのかを定義するのは難しいですね。ビジネスとしていつブレークするかという意味ならば、今日のRFIDシステムの規模は非常に小さく、ソフトウェアだけの開発では大きなビジネスになっていません。むしろ、RFIDリーダやサーバなどハードウェアに掛かる費用がソフトウェアよりも高い事例があるなど、ブレークには遠い状況にあるのではないでしょうか。
RFIDが本当の意味でビジネスになるのは、例えば既存システムの更改において、RFIDの利用が新システムの成功のカギとして最重要に位置付けられるときということになるのではないでしょうか。そこまでいくには、個人的は少なくとも2~3年はかかるのではないかと思います。
そのような状況下で、実証実験に協力して頂いている企業や実際に導入されているアーリーアダプターの企業の方々には、われわれの立場からは非常にありがたい存在だと思っています。そのような企業が存在しないと、新しい技術のさらなるブレイクスルーがなされないまま衰退していってしまうからです。
しかし、そのフェーズも終わりつつあるのではないでしょうか。これからは、利用者側も提供者側も単純な効率化を求めるだけではなく、業務プロセスそのものの変革まで視野に入れた一歩先の使い方を考えられているのは間違いありません。NTTデータもそういったことのお手伝いが今後も少しでも多くできていけばと思っています。
NTTデータ
NTTデータは、2003年にマルエツと協力して食品流通分野における実証実験を実施するなど、早い時期からRFID関連事業に力を入れている。いわゆるメーカーではなくソフトウェア開発やシステムインテグレーションを本業とすることから、オープン化や共通プラットフォーム技術などにフォーカスして開発や検証を進めているのが特徴だ。
現在はエバンジェリストとしての活動がメインであるという、ビジネスイノベーション本部ビジネス推進部課長の河西謙治氏に、最近の動向や今後の展開について伺った
強みを生かせるのは共通化のための技術開発
――この分野に携わるようになったきっかけは
河西謙治 ビジネスイノベーション本部 ビジネス推進部 課長
河西 2003年ごろに事業戦略部という部署にいました。そこは、既存組織の選択と集中の判断と、新規ビジネスの創出をミッションとしていました。
私は新規ビジネスの方を主に担当していました。当時は、ライフサイエンスとかグリッドコンピューティングなど8つのテーマが挙がっていましたが、私はその中でユビキタスコンピューティングを担当しました。
ユビキタスコンピューティングといってしまうと、おサイフケータイといった身近なものからITS(高度道路交通システム)といった社会インフラのようなものまで、ものすごく概念が広くなってしまいます。
当時のNTTデータの中で、未着手で、かつ将来性のあるユビキタスに属するテーマとは何かと模索していたときに、かねてから社内に蓄積されていた接触型・非接触型ICカード技術や、総務省による実証実験やユビキタスIDセンターへの参画など、すでに社内で取り組みが始まっていたRFIDに着目しました。
一方で、その当時はいろいろな組織が別のベクトルを向いていて、統一的な方向性が欠けていました。そこで、2004年度に事業戦略部の中にユビキタス推進室を作り、NTTデータとしてのビジネスの方向付けするとともに、ある程度の予算を持って、既存のビジネスユニットのビジネス収支に影響を与えないように切り離す形で、効果の高い実証実験や技術開発に積極的に参画してもらい、技術や業務ノウハウの蓄積を推進することを目指しました。
少人数で全社の司令塔的な役割をミッションとしていたユビキタス推進室は、2006年度の初めにリアルな組織としてはいったん役割を終えたと位置付けました。それは、当初の目論みどおり、実証実験や商用システム開発を通じた多くのノウハウが各ビジネスユニットに蓄積され、各ビジネスユニットが自律的に対応すべきフェーズにきたと判断したからです。現在の私は、兼務という形で、このインタビューのような対外的な情報発信と、標準化団体などへの参画を通じた情報収集を社内にフィードバックする、といったミッションになっています。
――NTTデータが注力している事業分野は
河西 ユビキタス推進室が発足したときに、NTTデータの全社戦略として2004年12月6日にプレスリリースしたのが図1です。全体を、重点分野別のソリューション、ソリューションを支える共通基盤、セキュアなネットワークの3つのレイヤーに分け、関連する各組織がその取り組みの中で個々の箱を埋めていき、最終的にはソリューション体系として完成されます。現在進行形の取り組みです。
NTTデータが目指すユビキタスの形(画像をクリックすると拡大します)
背景がブルーの部分は、共通機能としてのプラットフォームもしくはミドルウェアになります。どんなソリューションを提供するにしてもRFIDタグやセンサー、リーダ/ライタの端末管理、セキュリティ管理、ユーザー管理などは共通的な機能として必要となります。ソリューション側のアプリケーションを開発する際に、このような共通機能を切り出しミドルウェア化することにより、システム開発の効率化と短期化を企図しました。
オレンジの部分は、NTTデータがRFID利用の当面の主領域になるだろうと予測し、ソリューション提供を優先すると位置付けた分野群です。現在は、生産、物流、流通、資産管理、セキュリティといったところが中心となっています。
NTTデータはハードやデバイスを直接開発していませんし、それらをトライアルで使えるような生産ラインや物流倉庫といったフィールドも自社では持っていません。そこで、先導的な実証実験に参画させていただくという形でノウハウを蓄積しつつ、個別のシステム開発の練度を上げてきました。
現在の当社の取り組みの特色としては、1つ目が「eコラボレーション」の実現に向けたものです。企業間で異なるベンダのミドルウェアやプラットフォームを使っていて、さらに異なるID体系であっても、連携して情報を共有するためプラットフォームの開発を行っています。
2つ目は、コンテクスト・アウェアネスです。RFIDタグやセンサーが収集した情報に加えて、ロケーションやタイムスタンプなどの外部環境情報を総合的に判断して、何がどのような状況に変化していて、次にどのようなアクションを起こすのかを導き出すことを指します。
例えば、スーパーマーケットでタグ付きのパスタをリーダ付きのカートに入れると、まだカートに入っていない、パスタに合う食材やワインのリコメンドとクーポン券を出すといった、RFIDリーダとタグを組み合わせてお客さんの行動を把握し、そこからフィードバックするというサービスが提供できるのではないかと考えています。
コスト削減から新しい付加価値へのシフトが必要
――RFIDの利用周波数帯や標準化など、最近の技術的な動向について
河西 当社は自らチップやデバイスを作っているのではないので、利用周波数帯や標準についてはあくまでも利用する側の立場で、個別の案件ごとに「どれが向いているか」を選択しています。そのため、ユーザー目線で最新動向を追いかけています。
一方、ソリューション提供者の立場として着目している技術動向としては、RFIDのハイブリッド化や複数の取り組みがなされている相互運用接続といった分野です。具体的には、RFIDタグと各種センサーを組み合わせた製品とか、ユビキタスIDとEPCといったコード体系をまたがる相互接続や情報の翻訳、インターフェイスの構築に関する実証実験などです。
私の立場はNTTデータの中でも特殊だとお断りしておきますが、個人的な興味は、1~2年のスパンでビジネスとして刈り取れるものよりも、将来的にNTTデータとして利を生かせるような技術動向に意図的にシフトしています。
当社も参画した温度センサー付きRFIDタグを活用した生酒の実証実験でも、きちんと温度管理した商品を配送できることが物流業者の付加価値となるのはもちろんですが、店頭でも消費者に商品情報を提供して購買行動に結び付けられるかどうかまで視野に入れていました。繰り返しになりますが、こういったRFID+コンテクスト・アウェアネスやeコラボレーションのもたらす付加価値を、今後当社として差別化の源泉としていきたいと考えています。
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RFIDを使うことによって新たなサービスが生まれる
――RFIDが普及するために必要なものは何でしょうか
河西 いろいろな方が、ROI(投資対効果)を出すことが重要といわれています。これは「もっとハードウェアの単価が下がったらROIが出るのに」という意味合いももちろんありますが、それよりもRFID利用ならではの付加価値によってROIが出る形にならなければいけないということをみなさんいわれていると思います。
工場における生産管理などでリライタブルシート型RFIDタグが活用され始めました。RFIDにより、読み取り時間が短縮された分の人件費が削減されるというのが一番の効果ですが、これに加えて、工場という環境では紙の指示書だと汚れたり破れたりすることがあります。
また、使い終わった指示書も廃棄しますが、これが非常に大量になります。セキュリティの観点からも廃棄コストは高くなってきていますし、最近では資源保護の観点からも使い捨ては好ましくないと考えられています。リライタブルシートをリサイクルして使うことによって、これらが解決できるという形でのROIへの貢献もあるなど、考える視点を広くすることは重要です。
もう1つ、海外旅行の手荷物に付けるタグの例を挙げます。最近では、事前に機内預け荷物を自宅から宅配業者に預けてしまって、手ぶらで旅行に行けるサービスがあります。ところが、そのオペレーションをのぞいてみると、宅配業者、空港宅配業者、航空会社は別のコード体系で荷物を管理しているため、空港では、荷物の伝票から氏名や搭乗便名を目視で読み取り、チェックインシステムに手作業で入力する作業が発生しています。
航空会社にとっては、この作業が負担となってサービス拡大のボトルネックの1つになっています。旅行者にとっても、荷物が航空会社に受け取られるまでは、荷物の情報と飛行機の情報をそれぞれの会社の情報提供サービスに問い合わせなければならないという面倒があります。
2007年2月1日に発表した「IDコマース基盤」の実証実験ではバーコードを使用していますが、将来、荷物に付けるタグをRFIDにしてしまって、それぞれの業者で使っているコード体系を共通の基盤で運用できるように連携させてしまえば、コストの削減とともに、ユーザーの利便性を高める新たなサービスの拡充や一層の効率化を実現できるようになると考えています。
こういった、複合的な効果を積み重ねることがROIを高め、それがRFIDの普及を促進することにつながると思います。
JALの協力を得て、機内預け荷物のIDを複数企業間で連携させる実験を実施している(この実験ではバーコードを利用)
静かにフェーズが変わってきている
――RFIDの普及は、どの程度進んでいるのですか
河西 4年前に推進室を立ち上げたときに考えたロードマップと比較すると、やはり思った以上に普及に時間がかかっていると思います。それは当時出されたほかの市場規模予測を見ても同じでしょう。コストが高いとかROIが期待されたほど出ないといった問題もありますし、技術がまだ“枯れていない”ので、使われる方がちゅうちょしている面も当然あります。
ただし、これをもって将来性がないと見るのは早計で、外部発表されていなくてもすでにRFIDを導入している企業も多いと思います。静かに深く進んでいるという状況ではないでしょうか。
それと、ちょっと違った視点で見てみると、例えばバーコードも電子マネーも、最初の実証実験から本格的な普及までには10年かそれ以上の時間がかかっています。RFIDが社会インフラとしてそれなりに普及するには、やはり同じようにそのくらいの時間の積み重ねは必要なのだと思います。
今まさに迎えているキャズム(深い溝)を越えていくには、付加価値型の使い方をどんどん提案していって、単純なコスト削減とは違う意味合いで使えるということを示していかないとだめです。それが遅れれば遅れるほど、当初思い描いていた将来像からは離れていってしまう危惧もあります。
――NTTデータが提唱する「RFID2.0」とは何でしょうか
河西 NTTデータとしては、RFIDがクローズドかつ局所的な使われ方から、より社会インフラとして広く深く使われるようなパラダイムの変化を起こさなければならないという思い入れがあります。それを比喩として分かりやすくイメージして貰うためにWeb2.0になぞらえて、RFID2.0というキーワードを出しました。
ただ、あっという間に「○○2.0」とネーミングするのがダサい行為の代名詞になってしまって、一般の方のブログでもそのように厳しく指摘されたりして落ち込んでいましたが、日本HPさんや日本BEAさんでもRFID2.0という表現を使われ始めているようなので、少し安心してそのまま使っています(笑)。
RFID1.0と2.0の違いは、使われ方のパラダイムが変わるということだと考えてください。単なるスラップ&シップであったり、クローズドな環境だけで使われていたりしたものが、共通プラットフォームやディスカバリーサービスを介すことによって相互に情報を共有できるようになる。
つまり、“点”で集めていた情報を“線”や“面”に展開することで、企業規模にかかわらずRFIDタグが取得した個別のデータや、それを蓄積したデータベースを通じた「集合値の利用」ができるようになると考えています。これが「eコラボレーション」です。
また、「ハイブリッド化」も切り口になると思います。パッシブタグとアクティブタグ、温度や湿度、傾きといった各種センサーの組み合わせによって、動的に変化する情報の取得が可能になります。既存のデータとこれらの情報をマッシュアップして活用するのが、先ほど説明したコンテクスト・アウェアネスです。
ちょっとこじつけっぽいのは重々承知ですが、パラダイムが変わることを示すためのバズワードですかね。
――RFIDはいつごろブレークするのでしょう
河西 ブレークという言葉が何を意味するのかを定義するのは難しいですね。ビジネスとしていつブレークするかという意味ならば、今日のRFIDシステムの規模は非常に小さく、ソフトウェアだけの開発では大きなビジネスになっていません。むしろ、RFIDリーダやサーバなどハードウェアに掛かる費用がソフトウェアよりも高い事例があるなど、ブレークには遠い状況にあるのではないでしょうか。
RFIDが本当の意味でビジネスになるのは、例えば既存システムの更改において、RFIDの利用が新システムの成功のカギとして最重要に位置付けられるときということになるのではないでしょうか。そこまでいくには、個人的は少なくとも2~3年はかかるのではないかと思います。
そのような状況下で、実証実験に協力して頂いている企業や実際に導入されているアーリーアダプターの企業の方々には、われわれの立場からは非常にありがたい存在だと思っています。そのような企業が存在しないと、新しい技術のさらなるブレイクスルーがなされないまま衰退していってしまうからです。
しかし、そのフェーズも終わりつつあるのではないでしょうか。これからは、利用者側も提供者側も単純な効率化を求めるだけではなく、業務プロセスそのものの変革まで視野に入れた一歩先の使い方を考えられているのは間違いありません。NTTデータもそういったことのお手伝いが今後も少しでも多くできていけばと思っています。